眉毛のスズキさんとか、うまくて高いギョーザバーガーとか【東海道テキトー完歩 浜松~新居 後編】

 2016-07-30
 
前編「ドクターイエローとか空飛ぶ新幹線とか


タート早々思わぬ形で寄り道してしまったことになりますが、この日は夏の酷暑ということも想定して、あまり長い距離を歩く予定ではなかったので、夕方までに残り17、8キロをゆっくりと歩いて新居に到着すればいいことになっています。

旧東海道に戻り、郊外の幹線道路をしばらく歩いていると、こんなバス停が。

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こいつはどのスズキだ?
スズキという現在の知り合いは35人くらい、過去に付き合ったスズキさんという女の子は8人くらいいたような気がするのですが、今度は、どのスズキさん(くん)が見えざる手で僕を呼んでいるのかわかりません。

はて、と思ってまわりを見回してみると、このスズキだったことがわかりました。
そうです、スズキは浜松の誇る郷土の優良企業の一つでしたね。

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ということは、あの白まゆげのしゃちょー、じゃなかった、かいちょーが見えざる手で僕を呼んでいるのか。
後継者としてヘッドハンティングでもされるかもしれないのでイッチョ挨拶でもしてみようか、と入口の前まで行ってみると、門の前にいるのです、土曜にもかかわらず厳しそーな守衛さんが。

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TOヨタやTO芝といった名だたる企業の見えざる手に招かれて門前まで行ってはみたものの、いつもそこで守衛さんに追い返されることが多かったので、今回は残念ながら遠くから写真だけ撮って引き返すことにしました。
ゴメンよ、白まゆげのかいちょーさん。
年収2億だったら転職考えてもいいから連絡ください。


旧東海道からスズキ本社への道の途中でやけにいい匂いがするなあ、と思っていたら浜松名物、餃子屋さんが。
ちょうど昼食時間帯だったこともあり、こういうところ、きっとうまいんだろーなー、と思って入ろうとするとなんとカウンターまで満員。

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あとでしらべてみたらやはり行列必至の人気店、ということでした。
残念、並んででも食べるべきだったか!


そんなわけで、昼食のタイミングを逃してしまったまま郊外の幹線道路から旧道に入ると、今度はまったく食堂的なところがない、というよくあるパターンに。
暑いので食事しながら少し休憩したいなーと思いつつ、ズルズルと歩いてしまいます。
もう次の舞坂の町につくまでダメかなあ、と思っていたところ、数少ない大きめの交差点の角にこんなお店を発見!

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餃子を食いっぱぐれたので、妙に気になり、ちょっとあやしい感じだけどトライしてみることにしました。
餃子バーガーとアイスコーヒーを頼むと、ロカビリーふうのおねーさんが

「1188円です」

結構いいお値段じゃないかい?
ポテトもサラダもスマイルも頼んでないんだけど。

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まあ食べてみると確かにうまいのです。
バンズもやわらか甘いし、ギョウザの殻のカリカリした触感も悪くないし、ハンバーグも大きくて最後ははみ出ちゃうんですが、このロケーションにしては結構高級品でないかい?

そんなこともあってか、土曜日のランチタイムど真ん中なんですが、店内はこんな感じでずっと貸切。

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ドリンクセットで780円くらいだったら、浜松市民もたくさん来るのではないでしょーか。
ぜひご検討をお願いします。もう来ることはないかと思いますが。


浜松を出て10キロ近く、ずっとなんの特徴もない道が続いていたのですが、舞坂宿の近くになってようやく旧東海道らしい景色に。

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この杉並木を越えたところが舞坂の宿場町。
宿場の手前にいたのは、波小僧。

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波小僧の伝説があるだけあって、舞坂のすぐ向こうは海、というか浜名湖が遠州灘とちょうどつながるあたり。
宿場町にもしらす干しや海苔のお店が並んでいます。

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舞坂の脇本陣はもう本当に海(浜名湖)のすぐ手前にありました。

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旧東海道の突き当りには舞坂の漁港や魚市場が。

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そして西の方を向くと、もうそこには弁天島の大鳥居と駅前のホテルやリゾートマンションが見えていました。

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東海道新幹線から見える浜名湖と大鳥居、赤い橋はこのあたりだったんですね。

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弁天島の海岸は海浜公園になっていて、何軒かのホテルやリゾートマンションが建ち並んでいましたが、このあたりは遊泳禁止らしく、夏だというのにビーチには人影まばら。
遠浅の浜辺で水遊びしている子供を横目に、ヤンママあがりのお母さんがけだるそうに横たわっている海の家もどきのような場所もありましたが、残念ながら華やかさを感じるようなビーチではありませんでした。
でも江ノ島よりはヒット率が17倍くらい高いかも。そう考えると男のロマンは多少ありそうです。。。

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ちなみにこの鳥居は観光用に建てられたものなんだそうです。

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かつての東海道ではこのあたりは渡し船で越えていたところなのですが、今は何本かの橋でつながれていて、そのまま歩いて渡れます。

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東海道本線の弁天島駅の前を通りすぎて3~4キロ歩くと、ようやく今日の目的地、新居宿に到着したのでした。

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<2016年7月23日訪問 つづく>


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『東海道テキトー完歩』とは・・・・・
とある本に触発され、旧東海道に沿って五十三次、約500㎞をテキトーに、しかし完歩しようという試み。

時間がある時にぶらっと出かけて、気の向くままに歩くシステム。歩く順番もランダム。よって何年かかるか不明。
名所旧跡を語るより、街道沿いの人々や風俗(変な意味ではない・・・と思う)、B級スポットなどを、ときどき妄想なんかも入れながら紹介する滑稽本(になったらいいな)。




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ドクターイエローとか空飛ぶ新幹線とか【東海道テキトー完歩 浜松~新居 前編】

 2016-07-27


も真っ盛りの7月下旬、東海道テキトー完歩のため、GW以来2か月半ぶりに浜松にやってきたのでした。

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酷暑の中、わざわざ熱中症のリスクを冒してまで、なんでまた東海道テキトー完歩なんか決行するのか!
賢明な皆さんはそうお思いでしょうが、これはロマンなんですよ、男のロマン。

なーんて大げさなことではないのですが、実は毎年7月下旬の週末に、この先の旧東海道新居宿で行なわれる「遠州新居の手筒花火」というお祭りが見たくて、この区間はわざわざこの時期に残しておいたのでした。
そんなわけで今日は前回の続きの浜松から新居まで歩いて、夜はお祭りを見ることにしたのでした。


朝の新幹線で浜松に到着し、ホテルに荷物を預けに行こうとすると、こんな看板を発見。

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アクトシティの横には、JR浜松工場行きのシャトルバスがズラッと並んでいて、親子連れが次々と乗り込んでいきます。

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ネタとしては面白いのでちょっと寄り道してみたい気はしたのですが、まあどう見ても夏休みのお子様向けの企画なので、男のロマンに生きる旅人にはちょっと似合わないかな、と。
ときどき、バカでかい望遠カメラを抱えた単独男性が乗り込んでいきますが、今はやりの一眼女子的な単独女性は見当たらないので、やはりここには男のロマンはない、と判断し、そのまま旧東海道を進むことにしたのでした。


男のロマンがあふれてそうな浜松の繁華街を抜けて旧東海道を歩き始めると、なぜかあのシャトルバスが僕の横を何台も抜いて行くのです。
近いのか?浜松工場、と思って地図を見てみると、なんと東海道から1キロも離れていない場所にあるじゃないですか。


時計を見ると、ちょうどこのイベントが始まりそうな時間。
そんなわけで、これは何か見えざる手が俺を誘ってるんだな、と思い直し寄り道して行ってみることにしたのでした。

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まあ、JRの新幹線工場になんかめったに入れないので、この際男のロマンは封印しましょう。

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中に入ると、オープン直後だというのにすでにこの賑わい。

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おおおおお。
新幹線が車庫で休んでる。
しかもめちゃくちゃ長い。

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普段はけっして見せてくれない、のぞみちゃんのカラダの中が見られちゃったりして、なかなかレアな感じです。

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工場内では新幹線の車輪なども間近で見られます。

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この日はキッズ向けにいろいろな体験イベントが用意されているようでしたが、すでにオープンと同時に午前の部の整理券配布は終了。まあこういう特別イベントだと、相当気合入れて並んだり走ったりしないとまずこういうのには参加できませんよね。

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事前の申し込みや当日整理券配布がなくても楽しめるイベントの一つが「空飛ぶ新幹線」。

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これは新幹線車両の整備のため、クレーンで新幹線の車体を上げ・載せする作業のこと。
この浜松工場でしか見られないとのことですが、それも近いうちに浜松工場がリニューアルされ、車両検査方法が変更となるため、「新幹線なるほど発見デー」で実演を公開するのは、今年が最後となるのだそうです。

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そんなわけで、実演時間にはたくさんの人だかりができてしまい、車体が浮いているんだかいないんだかわからないような状態でしたが、まあ珍しいものを見たのかな、と。


広い工場をブラブラ歩いていると、一番奥のほうになんだか僕をにらんでいる輩がいます。

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こ、この人相悪い新幹線が、幸せを呼ぶ、と言われているドクターイエローなのか!!!

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このドクターイエローは「新幹線のお医者さん」と言われていて、走りながら新幹線の電気系統や軌道の設備状況をチェックする検査用新幹線なのですが、めったにみられないことから、これを見た人は幸せになれる、といわれています。
幸せの黄色い新幹線、ってことなんでしょうね。

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今回は基地内に展示されていたので、走っているところを見たわけではないのですが、まあ見えざる手で僕をここに呼び寄せたのはきっと彼だったのでしょう。

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しかしまあ、横から見ると面長でスマートな男なんですが、正面から見ると「お前俺とタイマンはりてーのか!」って感じの顔ですね。

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幸せを分けてもらったのか、タイマン挑発されたのかよくわかりませんが、まあ貴重な体験でした。
2時間も寄り道しちゃいましたがね。



<2016年7月23日訪問 つづく>


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『東海道テキトー完歩』とは・・・・・
とある本に触発され、旧東海道に沿って五十三次、約500㎞をテキトーに、しかし完歩しようという試み。

時間がある時にぶらっと出かけて、気の向くままに歩くシステム。歩く順番もランダム。よって何年かかるか不明。
名所旧跡を語るより、街道沿いの人々や風俗(変な意味ではない・・・と思う)、B級スポットなどを、ときどき妄想なんかも入れながら紹介する滑稽本(になったらいいな)。




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いざ、日本のワンダーブラジルタウンへ潜入!【ぐんまちゃん紀行 大泉町】

 2016-07-24
 前編「日本のブラジルの止まりすぎる道路


泉町の中心部から「東国文化歴史街道」と呼ばれる県道142号線を西へ少し行ったところ、そこが日本のブラジルの中心部。
街道名とはかなりミスマッチな感じがしますが、まあよしとしましょう。

2軒あるブラジルスーパーのうち、よりブラジルっぽい「キオスケ シ ブラジル」のほうに入ってみます。

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中に入ると、いきなり正面にブラジル風フードコートが。
お客さんどころか、店員さんの姿も見えないんですけど。

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フードコートの脇にはブラジル人向けの保険屋さんとか不動産屋さんのような感じの、小さなオフィスもありました。

お店の方を覗いてみると、小さな食品スーパーか大きめのコンビニかという感じなのですが、朝早いためかまだガランとしています。

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ブラジルサイズのデカい肉とかブラジルから輸入している食品やトイレタリー商品もたくさんあるので、クルマなら、話しのネタにいろいろ買い込んでみても面白いかもしれませんね。


せっかくなのでなにかブラジルっぽいことのひとつやふたつはしてみよう、ということで、フードコートでチュロスを食べてみることにしました。

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鼻にピアスしたブラジル人の店員のおねーちゃん(足元に子どもがまとわりついてたので、おかーちゃんかもしれませんが)見習いなのか誰かのピンチヒッターだったのか、めちゃくちゃ手際が悪くってレジの前で5分くらい待たされたけど、まあここはブラジルなので仕方ありません。

コーヒーとセットで500円(だったかな?)
ここのチュロスは結構有名らしく、ネットでもおいしいと評判だったのですが、揚げたての生地に生キャラメルが入ってて、うまいんです、これが。

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やっぱり結構な数のテレビ取材もきていますね。
いいネタになりますからね、日本のブラジル。

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ゥゥゥゥゥゥゥゥウウウウウウウウウウ~~~~~サンバ!
って感じの店内の装飾。

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リオ五輪までのカウントダウンパネルも、店内の片隅にささやかに飾ってありました。

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さて、リオ五輪直前で、町じゅうでゥゥゥゥゥウウウウウ~~~サンバ!と盛り上がっている様子を探しに再び町をうろうろしてみます。
6月なのに真夏並みの暑さだったせいか、屋外に日本人はほとんど見かけません。
この町のブラジル人(外国人)比率は15%と言われていますが、この日の僕の感覚だと日本人が15%、外国人が85%、という感じ。


本格的なブラジル料理の店として有名な「レストランブラジル」

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残念ながらまだ営業時間前だったので中には入りませんでしたが、テレビドラマの「孤独のグルメ」でも登場したらしいですね。

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ブラジル料理の代表と言えば串刺しにした肉・肉・肉の「シュラスコ」

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©レストランブラジル

草食さわやか系の僕はちょっと苦手な感じなのですが、そんな僕を虎視眈々と狙っている肉食女子のみなさん、ぜひチャレンジしてみてください。



西小泉駅前に戻ると、これも有名な八百屋さん「ストウ食料品店」

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なんてたってポルトガル語で野菜売ってますからね。
ダンボール箱の「なす」とか「きゅうり」という文字を見ると、日本から輸出した野菜がブラジルで売られているみたいですね。

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あやしげなタトゥーのお店。

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あやしげなブラジル下着のお店?

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あやしげなタバコの自販機?
も、もしやこ、これは・・・・・・

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と思ったら国際電話のカードのようでした。

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ま、こんな感じでウワサ通りワンダーな日本のブラジル、大泉なのでした。

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<2016年6月11日訪問>


ぐんまちゃん紀行とは・・・・・

父親が亡くなって群馬の実家には母親がひとり残されてしまったため、当面の間、週末のように群馬に戻らなくてはならなくなった僕が、群馬に帰った隙間の時間を利用して、新しい発見を探す、ちいさな旅。
「ぐんまちゃん」とは群馬県のゆるキャラ。
都道府県魅力度ランキングで常に最下位争いをしている群馬にしては奇跡的に、この「ぐんまちゃん」がゆるキャラサミットで1位を獲得したことへの敬意を表してそんなシリーズタイトルにしています。





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たびねすに新着記事掲載!夏の高千穂は夜と朝がイイ!高千穂峡ライトアップと朝ボート

 2016-07-24
門家が教える旅先ガイド「たびねす」に新着記事掲載しました!


高千穂は宮崎県の中でも宿泊客の戻りが遅いと聞いています。
今年はぜひ高千穂に泊まって楽しんでください!



  入口⇒  夏の高千穂は夜と朝がイイ!高千穂峡ライトアップと朝ボート


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日本のブラジルの、止まりすぎる赤い道【ぐんまちゃん紀行 大泉町】

 2016-07-21

馬県の南の端、利根川を挟んで埼玉の熊谷と県境を接する大泉町は、日本の誇るふたつのB級スポットを持つ町として一部マニアにはとても有名な場所なのです。

ひとつめの称号は「日本のブラジル」。

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この大泉町にはパナソニックや富士重工業などの大規模工場が多く、その従業員としてブラジル人をはじめとする外国人が数多く住み、人口の約15%を占めています。そのため「日本のブラジル」として町にはブラジル料理のレストランやスーパーをはじめ、ポルトガル語の看板を掲げたお店がたくさん。

大泉町自体も「日本のブラジル」を自ら宣言して絶賛売出し中のため、これはもうすでに結構有名になっていますね。



もうひとつは「日本一止まりすぎる道路」。

これもテレビの珍百景で取り上げられたりしているので、その道の方にはすでにかなり知られているのですが、静かな住宅地の一本の道路に「止まれ」の交通標識がほぼ等間隔で14連チャンで続くという、日本一「止まれ」密度の高い道路のこと。

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この道路には以前にも来たことがあり、僕のブログでも一度書いたことがあるのですが、
( ワンダーグンマー 危ない夏祭りと止まりすぎる道路 )
その時はブラジルタウンのほうにはあまり足を延ばしていなかったので、間もなく開催されるリオデジャネイロオリンピック・パラリンピックを控えて盛り上がっているブラジルの熱気を感じるために再訪してみたのでした。


6月のよく晴れた土曜日の朝。
群馬に帰る途中、熊谷駅で下車して西小泉行きのバスに乗って約30分、まずは大泉町役場前でバスを降りて東の大泉南中学校方面に5分ほど歩いて「止まりすぎる道路」へと行ってみます。

ここ、「止まりすぎる道路入口」という観光名所の看板が出ていればよいのですが、残念ながらそうした類のものは一切出ていないので、自分で探索するしかありません、あしからず。。。

と言っちゃうと日本に恋する伝道師としてはあまりにも不親切なので、トクベツに僕の特製地図を再掲します。

図2


特によく晴れた日に、太陽がまだ東にある時間帯に道路に立つと、北を向いても南を向いてもやわらかな朝の光に「止まれ」の赤がよく映えてきれいなんですよ!


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この「止まりすぎる道路」は、碁盤の目のように区画された住宅地を貫く南北約400メートルの道路で、途中で14本の道路と交差するのですが、なんと0勝14敗。つまり交差点優先勝負でひとつも勝てず、14回すべてこの道が一時停止となっているのです。

そんなわけで、この道路には南向きに14枚、北向きに13枚。合計27枚の「止まれ」看板があるのです。狭い道路の両側に家が建ち並んでいて見通しが悪いため、すべての交差点に律儀に「止まれ」の看板が設置してあり稀に見る「止まれ」密集地帯となってしまった、というわけなのです。


実際に歩いてみると、30メートルごとに止まれ、止まれ、止まれ・・・

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車と徒歩で競争しても、いい勝負かもしれません。。。


朝の光を浴びて真っ赤に染まる「止まれ大家族」、いとをかし。

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さて、今回はもう少し大泉の町の中に迷い込んで、ブラジル気分を味わってみたいと思います。
日本の道路100選のひとつ、ハナミズキ通りを東武線の西小泉駅方面へと向かいます。

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途中の小道に見慣れない感じのお店が次々と出てきますが、ここははまだブラジルじゃありません。
これはペルー料理ですかね。

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ここはケパブだから・・・トルコかな?

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西小泉駅前から西へ10分ほど歩くと、そこがいよいよ日本のブラジルの中心地(?)でしょうか。

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ブラジル系のスーパーが、向い合せに2軒、並んでいます。

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駐車場から店内へと出入りする人は、ほぼ100%近くブラジル人。
怖いけど、中に入ってみようと思います。



<2016年6月11日訪問 つづく>


ぐんまちゃん紀行とは・・・・・

父親が亡くなって群馬の実家には母親がひとり残されてしまったため、当面の間、週末のように群馬に戻らなくてはならなくなった僕が、群馬に帰った隙間の時間を利用して、新しい発見を探す、ちいさな旅。
「ぐんまちゃん」とは群馬県のゆるキャラ。
都道府県魅力度ランキングで常に最下位争いをしている群馬にしては奇跡的に、この「ぐんまちゃん」がゆるキャラサミットで1位を獲得したことへの敬意を表してそんなシリーズタイトルにしています。





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うなくん、なんで「夜のお菓子」なの?【浜松/うなぎパイファクトリー】

 2016-07-15
 前編「浜松夜の聖地めぐり 前編



名湖名産 夜のお菓子 春華堂の「うなぎパイ」。

東京で働くOLの80%が、たまたま浜松あたりに出張に行ったおっちゃん上司に、

「ほら、夜のお菓子だよ。今日はこれ食べて精力付けて頑張って、うひひひ~」
と言われたことがある、という統計もあるようですが(ないか・・・)、まあ誰もが「にやっ」としてしまう、有名なお菓子であることは間違いありません。

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このうなぎパイの工場、「うなぎパイファクトリー」は、工場というよりは、もう立派な観光スポットになっている感じです。
中に入ると、まるでどこぞのミュージアムかのような造り。

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個人の見学客も予約なしで入ることができて、こんなお土産がもらえます。結構うれしい!

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最初に2階から製造ラインを見学することができます。

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おおおおおおおお、うなぎパイが流れてる。
これ全部食いたい!

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そのあとはシアターでうなぎパイができるまで、という映像の上映。これはよくあるパターンですね。

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そしてこれもよくあるパターンで、通路にはうなぎパイQ&Aのボードがあるのですが、なんといきなりお約束のこの質問が。

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さあ、みなさん、声を合わせて答えてみましょう!
恥ずかしがることはないですよ!
さん、にい、いちっ!









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答え:うなぎパイの『夜のお菓子』とは、家族団らんのひとときに召し上がっていただきたい、という意味です。

・・・・・・間違えてちょっと妄想しちゃった方、恥ずかしくないですよ!ドンマイ!


ちなみにさっきの坊やは「うなくん」という浜松出身の男の子。
趣味はうなぎのじゅもん体操を踊ることで、口癖は「うなぎパイは『手作り』がいのち!」。
小春ちゃんという彼女と夜のお菓子を一緒に食べるのが日課だそうです。。。(団らんですよ、団らん!)


どデカいうなぎパイと記念撮影できるスペースもあります。ちゃんとセルフタイマー撮影用の台も用意されて。

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若いカップルが、うなぎパイを挟んで両側に立って、ピースとかしてると、どうしても夜のお菓子後のムフフな妄想しちゃいます。
あっ、もちろんほほえましい団らんの姿ですよ。。。


よく見ると、手すりもうなぎになってますねー。結構芸が細かい。

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そして館内には「UNAGI PIE CAFE」という、結構しゃれおつな感じのカフェが。
この「うなぎパイカフェ」、東京・表参道に期間限定で出店して、大人気だったそうです。
その時の人気メニューが、なんとここでも表参道価格で絶賛発売中のよう。

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これは定番の「うなぎパイミルフィーユ仕立て」なのでまあそこそこの値段ですが、表参道で一番人気だった「4種のうなぎパイ&メルティングショコラ」セット1.980円(税込)とか、つつましい4人家族のガストランチ並みやでー!

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1階にはショッピングコーナーがあり、うなぎパイが山のように売られているのですが、そこでなんと「真夜中のお菓子」を発見!

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「うなぎパイV.S.O.P」
うなぎパイを極めた、『真夜中のお菓子』・・・・・そんなにスゴイ効果があるのかぁぁぁぁぁぁぁ!!!

って、絶対狙ってますよね。
やるなあー春華堂。

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ⓒ春華堂


5本入り981円、とつつましいカップルのガストランチ並みのお値段だったのですが、真夜中の幸せをプレゼントしたくて、会社の仲間のために25本も買ってしましました!



うなぎパイファクトリーの中庭には、移動カフェ、うなくん号が。

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この自転車の坊やが、うなくん。
小春ちゃんと真夜中のお菓子友達です。
若いのに、やるなぁ~

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いろいろメニューはあったのですが、やはりフツーのかき氷とか食べても面白くないだろう、ということで、「うなぎパイジェラート」に挑戦!

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開けてみるとまあ、アイスクリームの上にうなぎパイが載ってるってことだけなんですけどね。

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そのままでは食べられないので、いったんうなぎパイは上蓋に移して、適宜アイスに混ぜながらサクサク感とともにお楽しみください、ということでした。
おいしゅうございました。

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この日は自転車で50キロくらい走ったのでしょうか。
最終日、ということでハードな東海道テキトー完歩を回避したはずだったのですが、結局、疲労困憊のまま翌日会社に行き、日に焼けた精悍な顔になりすぎて、GW明けで5月病の女子たちの心をひとり占めしてしまう、というなかなかチャレンジングで素敵な会社生活を送ることになりそうです。。。



<2016年5月8日訪問>




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夜の聖地めぐり 「月」経由「うなぎパイファクトリー」【浜松】

 2016-07-12
  前編「月まで3kmの道路標識、発見!



は月には「月」というバス停があるのです。
しかし月の集落の中心を通る県道360号にはバスは通っておらず、バス停はこの天竜川の対岸の国道沿いにあるのです。

対岸といっても近くに両岸を結ぶ橋もないので、月の集落から月のバス停に行くまでには、上流方面、下流方面とも3~4kmほど先にある橋を渡って、国道に出てから4キロほど戻る(都合7~8キロの大回り)ことになります。
あるいは天竜川をまっすぐに横切って泳いで渡るか。。。

しかしまあ、どうせなら、ということで「月」のバス停にも行ってみようと思います。
歩きだったら、「監督に怒鳴られまくって、やってらんねーよ」とか思っていそうな女子ボート部のおねーちゃんの愚痴を聞く代わりに対岸まで運んでもらうのですが、今日は「フライミートゥーザムーン」号が一緒なのでそのまま天竜川を眺めながら上流方面に北上します。

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4キロほど進んだところにある横山という集落近くでようやく橋があり、国道152号と再び合流するので、そこから折り返して国道沿いに天竜川を下流方面に戻ります。

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横山の集落で見つけた標識。
月の次は「熊」ですか・・・
さすかに行かないけど。

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国道とはいうものの、右は天竜川、左は崖が続く以外、民家も何もない区間をしばらく進むと、そこに突然「月」のバス停がありました。

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対岸を見ると、確かに月の集落が正面に見えます。
だけどあそこからここまで来るのに7キロかかるんですよねー
おまけにこのバス停のまわりには本当に何もないので、たぶんここを利用する人なんかいないんじゃないか、と。

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遠鉄の西鹿島駅から天竜浜名湖鉄道の天竜二俣駅を経由して、飯田線の水窪駅を結ぶバスの便は1日5往復。
この区間としては、まずまずの本数じゃないでしょうか。
でも間違えて「月の集落=月のバス停」だと思ってここに来ちゃうとたいへんなのでご注意くださいね!

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乗降客がいないといつ廃止されちゃうか心配ですが、「月」、いつまでも残ってほしいですね。

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さて、そのまま天竜川に沿って下っていくと、国道をまたぐようにかかる赤い橋が見えてきます。
これは「夢の架け橋」と呼ばれる歩行者・自転車専用の橋梁。

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国道沿いにある道の駅「天竜相津 花桃の里」と月の集落の南側にある伊砂ボートパークとを結んでいます。

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歩行者・自転車専用、ということなのでちょっと怖い感じもしますが、「フライミートゥーザムーン」号で渡ってみることにします。

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この橋、もともとは、国鉄佐久間線として一度は着工された鉄道路線が通るはずだったところで、鉄道用の橋梁として建設されたものだったのです。だから細くて歩行者・自転車専用なんですね。

結局、佐久間線は開通することなく途中で工事が打ち切られたのですが、すでに完成していたトンネルや橋脚が現在でも数多く残っていて、この「夢の架け橋」もそのうちの一つ。第二天竜川橋梁として建設された橋脚が、歩行者・自転車用橋として再整備され、2000年に完成、開通したものなのです。

橋を渡ると、再び県道360号にもどり、あの「月まで3km」の看板を越えると楽しかった月旅行も終わり、地球にもどります。

天竜二俣駅まで戻ってレンタサイクルを返却すると月まで単純往復で15キロちょっと。今回のようにその先まで寄り道しても25キロくらい。
結構アップダウンもあるので、電動サイクルはマストですが、月へのサイクリング、おススメですよ。

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ロケットとか車じゃ、あっさり着きすぎちゃってつまらないでしょ?
自転車だと月へ向かう道のり、結構ワクワクしますよ。川の青さの微妙な変化とか、風や匂いや音もビンビンに感じますよ。
車じゃ通れない「夢の架け橋」を渡ることもできるしね。



さて、そのあといったん電車で浜松駅前に戻ります。
前夜、浜松の見どころを調べていて、もう一つ、どうしても行ってみたくなった場所があったのでした。
それは春華堂の「うなぎパイファクトリー」。
そう、あの夜のお菓子として名高い「うなぎパイ」の工場です。

ここは浜松市の郊外の工業団地の中にあるのですが、電車もバスもいまいちアクセスが悪いのです。
そんなわけで、浜松駅前で本日2台目のレンタサイクル「夜のお菓子うなくん」号を借りていざ、出発!

浜松市街を西に進み、途中で寄り道しながらテキトーに走っていたら道に迷ってしまい、1時間半くらいかかってようやくこの看板が。
こんな看板にもやはりもれなく掲げてますね、「夜のお菓子」のキャッチコピー。

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うなぎパイファクトリーは土日祝日も休まず営業、個人は予約なしで自由に見学ができるため、この日も大勢の人。

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敷地内に入ると、いきなり巨大うなぎパイを積んだラッピングトレーラーが。

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すごいあなー、これ。
この展示のためだけに作ったのかなあ。それともこのまま道路を走ってラッピングトレーラーとして宣伝するのかなあ。

うなぎパイファクトリー、かなり楽しそうだぞ!



<2016年5月8日訪問 つづく>




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Fly Me to the Moon (In Other Words) ~つまり、抱きしめて。【静岡・天竜川】

 2016-07-09
「私、月に住んでいたの」

彼女が最初にそう言ったとき、僕はなんだか悪い冗談を聞いてしまったんじゃないか、と思ったのでした。
彼女は会社こそ違えども、ここ最近の僕の仕事のパートナーで、いつもきちっとしたスーツを着て、どんな難題もテキパキとこなす凛とした女性で、そんな乙女のようなロマンチックなことを言うようなタイプだとは思ってもいなかったからです。

そんなわけでしばらく返す言葉が見つからず、突然アフリカのジンバブエに異動を命じられた商社マンのように口を半開きにして、魂の抜けたような顔をしている僕に向かって、彼女は今度は笑いを堪えながら、もう一度言いました。

私、月に住んでいたのよ。
静岡の山の中に、『月』という名前の集落があるの。私、そこの出身なのよ。


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テーブルの上には、よく冷えた白ワインと、涼しげな夏色が散りばめられたオードブルがありました。
僕らは来週に迫ったイベントの最終の打ち合わせを兼ねて、彼女の行きつけのレストランで遅い食事をはじめたばかりでした。

「びっくりしたよ、本番前で忙しすぎてアタマが月まで飛んでっちゃったのかと思ったよ」

彼女は楽しそうに、でも必要以上にくだけ過ぎることない笑顔でよく冷えた緑の前菜を切り分けながら、ないない、というふうに首を2.3度振りました。

もう今は古い家だけが残っていて誰も住んでいないんだけど、夏になると無性に帰りたくなることがあるのよね。



『月』と聞いても、僕にはあの、クレーターのでこぼこだらけの荒涼とした灰色の土地、というイメージ以外は全く想像できず、『夏』という季節とうまく結びつけることができませんでした。

天竜川っていう大きな川がすぐ横を流れていてね、ううん、天竜川に「月」の集落がおまけみたいにちょこっと張り付いてる感じかな、天竜川の色は夏が一番似合うのよ。


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彼女によると『月』という場所は静岡の浜松からずっと山奥に入ったあたり、浜松市天竜区(浜松と合併する前は天竜市だったんだけどね)というところにあるのだそうです。
急流として知られる天竜川が下流のダムでせき止められて、ここでは湖のように穏やかな水をなみなみとたたえていました。
季節や天気、時間や角度、そして見る人の心によって、それはいろいろな表情を見せてくれるのだといいます。


「月」には天竜川のボート場があって、みんな小さいころからボートに乗るのよ。
だから私も子供の頃は夏は真っ黒に日焼けするまでボート漕いでいたのよ。今はそんなふうには見えないと思うけど。

よく冷房の効いた白い壁をバックにワイングラスを傾ける彼女が、真夏の太陽の下で必死にオールを引く姿は、確かに想像しようと思ってもなかなか難しい、と思いました。


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ょうど夏の盛り、お盆の前の数日間が、僕たちが携わっていたイベントの本番でした。

イベントの直前、彼女はおそらく2日くらいほとんど寝ずに準備をしていたはずでした。
それでも本番になると、次々と訪れる外国人を相手に、彼女は相変わらずスマートでひとつの隙もない所作を見せていましたが、もしかすると本当はかなり無理をしていたのかもしれません。
もともと肌が白いせいでしょうか、普段はあまりメイクをしているようには見えない彼女でしたが、イベントの期間中は今まであまり見たことのないような濃い目のルージュを引き、まるでエメラルドのようなグリーンのアイシャドウ姿で現れたのでした。
そんな彼女を見ながら、なんとなく夏の『月』は、今、彼女の目元を覆っている色に似ているのかもしれない、と思ったのでした。


2日間のイベントのあと、関係者のちょっとした打ち上げが終わると、僕たちもそのままお盆休みに入り、毎日のように顔を合わせていた彼女と会うこともなくなりました。
ここ数か月の忙しさにかまけて、何の予定も立てていなかった僕は、たった5日間の休みでさえ時間を持て余すありさまでした。



そうだ、月に行ってみよう。

突然、そんなことを思いついたのは、お盆休みも3日目の午後、そろそろUターンラッシュが始まりかける頃でした。
「月」という名前や、一年で一番美しいという天竜川の夏の色が気になっていたことは間違いありませんが、何よりも彼女がかつて住んでいた場所を見てみたくなったのです。

15時すぎの新幹線に乗って浜松まで行き、そこから先は小さな私鉄に乗り換えて終点まで。
月にはどうやらそこからバスで行けるようでした。

1日5往復しかないバスの最終便、夕方6時半過ぎのバスに乗ると、やがて車窓の左に湖のように豊かな水をたたえた天竜川が寄り添ってきます。けれども残暑といわれる季節になっても容赦なく照り付けていた太陽はすでに山の端に隠れ、天竜川は夏色ではなくモノクロームに染まりかけていました。
出発して20分、バスが国道わきの路肩に突然停まると、そこが「月」のバス停でした。


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そこには彼女が言っていたような水辺の静かな集落は、ありません。
右手はすぐに山林、左手はすぐに天竜川の崖。「月」のバス停の周囲には民家も商店もありません。
ただ、モノクロームの天竜川を挟んたはるか向こうの対岸に、漕艇場の桟橋らしき一角と、「天竜川のほとりにおまけのようにちょこっと張り付いている」集落が見えたのでした。

上流を見ても、下流を見ても、この近くに両岸を結ぶ橋があるようには見えませんでした。
「月」の集落のはるか西、伊那谷へと続く幾重もの山々の向こうに太陽が沈み終えると、あたりを闇が加速度的に覆いはじめました。そんな中、どこにあるかもわからない橋を渡って、今からあの対岸までたどり着くのは不可能のように思えました。

まあ、仕方ない。
彼女が育った「月」がどんな場所なのか見られなかったのは残念だけど、このまま上りの最終バスで帰ろう。


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「『月』のバス停に行っちゃったの?」

携帯電話の向こうの彼女は、珍しく驚いたような声をあげました。

そうか、私、話したことなかったっけ。月のバス停は月の集落からはずっと離れているのよ。なんであんなに何もない場所にバス停作ったのか、よくわからないんだけど・・・

本当は東京に帰るまで、彼女には黙っておくつもりでした。
イベントが終わって、もう今までのように会って話をする必要がなくなってしまった彼女を食事に誘い出すためのネタとして、「月」に行った話を使おうと考えていたのでした。
けれども予想外の展開で「月」に行くことができなくなったので、どうせなら笑い話にしてしまおう、と思ってバスを待つ間に彼女に電話をかけてしまったのでした。
しかし次に彼女から返ってきた言葉は、さらに予想外のものでした。


「仕方ないなあ。今クルマがないから、すぐには行けないけど、もうちょっと待っててくれれば迎えに行くから」
「えっ?」
「月、あっ、ホンモノの月のことよ、月が出て、もう少し明るくなれば、ボートが出せるから」


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ードレールを乗り越えて、草や木につかまりながら天竜川の崖を川岸近くまで降りると、彼女の乗った二人用のボートが1メートルほど下にありました。それは競技用のような細長くて尖ったものではありませんでしたが、桟橋もない不安定な水の上に浮かぶ小舟に、何事もなく飛び乗るのは至難の業のように思えました。

僕の体重を乗せた右足が着地し、船が大きく傾くと同時に、彼女は僕の両腕を抱えこみ、船の底に引きずり込むように伏せたのでした。
まるで嵐の大海原のように右へ左へと激しく揺れていた船の振幅がだんだん小さくなるのにあわせて、僕の両腕を抱えた彼女の力がゆっくりと抜けていき、限りなくゼロに近づいたところで迷ったように止まったのがわかりました。
このあと再び力を入れようか、それとも手放してしまおうか、と。



「ねえ、私が『月』に帰ってることを知っててここに来てくれたの?」

いや、そんなことまったく知らなかった。
僕がそう答えると、彼女はなあんだ、と言って僕から両手を放し、狭い船の底から起き上がりました。



いつの間にか東の山の端から大きなホンモノの月がのぼっていて、天竜川に月色の道を描き出していました。
彼女のボートはその上をゆっくりと「月」へと進みます。

「月の夜の天竜川もなかなかいいでしょ。でも本当の夏の「月」の色、あの時間からじゃ見られなかったんじゃない?」
「うん、そうだね。本当の「月」の色を僕はまだ見ていない」

でも、明日の朝になるまで見られないわよ。
彼女はスイスイと滑らかにオールを操りながら、そう言いました。
それが真夏の太陽の下ではなく、川面から反射するちょっと妖しげな月の明かりの下だったからでしょうか、あれほど想像できなかった彼女のボート姿は、意外にもしっくりと僕の頭の中に入りこんできたのでした。



「ねえ、私が『月』に帰ってることを知っててここに来てくれたの?」

彼女がもう一度そう聞いた時、本当はそうなることを期待していたのかもしれない、ということに気づいた僕がゆっくりとうなづくと、自分の生まれた「月」の家に向かって漕ぐ彼女のオールの力が少しだけ強くなったような気がしました。



Fly me to the moon And let me play among the stars
Let me see what Spring is like On Jupiter and Mars
In other words, hold my hand !
In other words, darling kiss me !



<おわり>




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たびねすに新着記事掲載!山鹿灯籠祭りで「あなたもお酔いよ」

 2016-07-06
門家が教える旅先ガイド「たびねす」に新着記事掲載しました!


艶やかで日本情緒あふれる素晴らしいお祭りです。


ぜひ読んでみてください!


  入口⇒  千の灯りが妖しく誘う。山鹿灯籠祭りで、あなたもお酔いよ



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「月まで3km」の道路標識発見!【静岡/浜松市 後編】

 2016-07-03
 
前編 「Fly me to the moon 月まで、あと3km 



う、ここが地球上でもっとも月に近い場所。

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僕はそんなところまでなんと自転車で来てしまいました!
いやー、地球から約38万キロ、遠かったなー

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本当はこの近くまでバスでも来られたのですが、この道路標識がどこにあるかがわからなかったので、1日5往復しかないバスから変なところで降りてしまうと大変、ってことでレンタサイクルを借りて探しながらきたのでした。

ちなみに「伊砂入口」というバス停が、この看板のすぐ手前の国道152号と県道360号の分岐点のところにありました。

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ネットで探してもどこにも見つからなかったので、バスで月の入り口まで来たい方はぜひご参照ください。


しかしこの看板、素晴らしいロケーションにあるんですよ。
この先、どんな別世界が待っているのだろう、とワクワクしちゃいます。

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いざ、月への最終着陸準備を整えて、再び今日の僕の相棒、「フライミー トューザムーン」号に乗って先に進みます。
県道360号で天竜川を右岸から左岸に渡ってしばらく坂道を上ると、エメラルドグリーンの水をなみなみとたたえた大河が眼下に現れます。
正面に見える赤い橋は「夢の架け橋」。
これはあとで渡ることになりますのでまたその時に。

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向こう側に見えているのが、どうやら「月」のようです。

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さらに奥に進むと、下流の船明ダムにせき止められた天竜川が、湖のように豊かな水をたたえた場所が目の前に広がります。

ん?ボート?
鮮やかな色をしたあめんぼのようなボートが湖面に何本もの模様を描いています。

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やはりその先には「天竜ボート場」がありました。
急流で知られる天竜川ですが、このあたりは流れや波がほとんどないため、ここは美しい景観の中で2000メートルの競漕ができる日本有数の漕艇場となっていて、「ボートの聖地」とも呼ばれているんだそうです。

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どこかの大学の女子ボート部が練習していたようです。
拡声器で監督からめっちゃ怒られてましたが。
静かな月でそんなに怒鳴らないでくださいよ、カントク・・・

そう、この天竜ボート場のある場所が、「月」なのです。

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正式には「浜松市天竜区月」という地名の場所。

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説明によれば、この「月」という地名の由来は、南北朝騒乱の時代、楠木正成に仕えた源氏の一族、鈴木左京之進が北朝に敗れ、12人の家子郎党を連れてここに落ちのびた際、それでもなお「楠木正成公の心の清らかさこそ、中空にかかる月のようである。私たちの心のよりどころを地名に残そう」として村の名を「月」とつけた、とされています。

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あるいは同じく左京之進が「私たちはたった12人となってしまったが、いつの日か満月のように発展しよう」として「月」と名付けたという説もあるそうです。


現在の「月」は、わずか十数軒の民家が残っている程度の小さな集落ではありますが、そんな古くからの由緒ある地名だったのですね。

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月、いいところでしたよ。
アポロ号もうさぎも、かぐや姫もいなかったけど、エメラルドグリーンの水をなみなみとたたえた豊かな川に囲まれた、本当に別世界のような美しい場所だと思います。

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<2016年5月8日訪問 つづく>




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