信州温泉人体実験の旅 前編 【長野県・鹿教湯(かけゆ)温泉】

 2015-02-10
「今度、一緒に温泉に行きませんか?」

以前から、眼鏡を外したら、かなり美形に違いない、と踏んでいたある女性から、そんなメールが来ました。

彼女は東大のある研究室で「旅」が人間にもたらす様々な効果を科学的に研究していて、僕は仕事上で何度か彼女と同じ会議に出たり、意見交換をしたことがあったのでした。

「もちろん、喜んで!」
「では今度、会社の方にお邪魔します!」

ん?会社??・・・・・



数日後、彼女は大学の教授とともに僕のオフィスにやってきて、こう言いました。
「実は、都会で働く社会人に対して温泉がもたらす肉体的、精神的な効果の実験をしたかったのですが、あまり社会人の知り合いが多くなかったので、快諾いただけて、本当に助かりました!」

そして彼女は腕時計のようなウェアラブル測定機器と、お年寄り向けのらくらくスマホのような端末、毎日の測定結果を書き込むシートについてひととおり説明した後、こう言い残して去っていきました。

「では、2週間後の土曜日、長野県の鹿教湯温泉でお待ちしております。あっ、もちろん宿泊代はすべてこちらで負担いたしますのでご安心くださいね」

そして僕はそれから2週間、朝起きてから寝るまでの間、3時間おきに携帯端末がブルンブルンと鳴り、「今の気分は晴れやかだ」とか「心配事がある」とか「体がだるい」などに何%該当するか、といった質問に何度も何度も答え続けることになったのでした。




さて、こうして温泉モルモットの旅は、2013年の3月2日、信州上田の鹿教湯温泉で行われたのでした。

長野新幹線で上田駅に着き、待ち合わせの時間まで上田市内を散策します。

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上田城下の路地をウロウロと歩いていると、藩主居館跡地に建っている上田高校の立派な校門の前を通りかかりました。
どうやらこの日がちょうど卒業式だったようです。

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すでに卒業式が終わったのか、体育館から出てくる卒業生を出迎える在校生たちが校庭でたくさん待っています。
部活ごとなのでしょうか、いろいろなグループに分かれた後輩たちが、伝統校らしいユニークなエールを送ったりしながら先輩たちの旅立ちを祝福しています。

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こういうの、いいなあ。
ちょっとウルッと来ました。



上田駅から旅館の送迎車で鹿教湯温泉へ。

鹿教湯温泉は「傷ついた鹿が教えた湯」として、昔から効能あらたかな温泉と言われ、湯治場として栄えてきました。
また国民保養温泉地の指定を受け、今では温泉療法の国内最先端の地でもあります。
温泉モルモットの実験としては、確かにこれ以上ない環境の場所なのです。

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温泉街の中央近くに鹿教湯病院という温泉療法の権化のような大きな病院があるほかは、比較的中小規模の旅館やホテルが並んでいて、有名温泉地のような大型の歓楽型の旅館はありません。

僕たち(結局、僕の会社の同僚5人が今回のモルモット役でした)は、その中でも比較的大きなホテルに到着し、正しい温泉入浴についての講義を受けたあと、2時間程度の散策を行い、あとは温泉に入ってゆっくりしていい、ということでした。

ただし、と最後に彼女は言いました。
「健康のため、お酒と女は2合(号)までですよ」


・・・ウソです。本当は、検査結果に影響するのでお酒は1杯までにしてください、ということでした(女に関しては言及なし)



要は、普段は都会で働いている人間が、旅先で温泉に浸かってリラックスしたあとで再び都会に戻ると、同じ日常でも以前と肉体的、精神的に違いがでるのか、ということを科学的に証明するための実験だったのです。
だから温泉では軽く運動して、あとはひたすらリラックスして過ごせばよかったのです。
翌日も、午前中に近くの体育館で軽くストレッチのようなことをして、この鹿教湯ツアーは終了となったのでした。
最後に東京に戻ってからまた2週間、日常の肉体・精神状態を図る例の検査が続いて、この調査が終了しました。

ちなみに調査結果ですが、都市の勤労者が、田舎の自然の中で軽い運動と温泉生活を経験すると、再び都会に戻ったあとも以前ほどストレスは強くない、といった当初の仮説通りの結果が出たようです。
ただし一部例外を除いて。

実は僕だけが例外だったようで、日常でもストレス・疲れともほどんどなかったので、前後の違いがわからなかったそうです。

「たぶんAさんは普段から毎日旅しているようなものなので(僕はその当時、毎日通勤の途中で1時間くらい知らない道を歩くのが習慣だったのです)、きっと普段からストレスもないんですよ。そのことも旅の効果の証明の一つになりそうなので、今度別の論文に使わせてください」

かくして彼女の別の論文に、僕は後日改めて登場したそうです。




さて、せっかく初めて鹿教湯まで来て、そのまま帰るのはもったいないので、僕は東京へ帰るメンバーから途中で離団して、このあたりをブラブラ歩きながら別所温泉まで行ってみることにしました。

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鹿教湯から上田に戻る途中の下之郷あたりから別所温泉にかけては塩田平と呼ばれる盆地で、かつて塩田氏の居城「塩田城」がありました。その周りには数多くの神社仏閣が点在し、現在なおその面影を残しているため「信州の鎌倉」とも言われています。

別所温泉まで、直線距離なら6~7キロですが、いざ歩きだしてみるといろいろと見どころが多いので、結果的にはかなり寄り道・遠回りしてしまったのでした。



<2013年3月2日 訪問 後編へつづく>




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