無言館 ~戦没画学生慰霊美術館【長野県・上田市】

 2015-02-13
前編:信州温泉人体実験の旅 その1


3月に入ったとはいえ、ところどころに雪が残り、春まだ遠い信州塩田平を歩きはじめると、「無言館」の看板が僕の視界に飛び込んできました。

あっ、と思いました。
以前、新聞で「無言館」についての記事を読んだことを思い出したのです。

そこは、戦没画家の画だけが集められた美術館。
正確にいうと、徴兵により画家になる夢を断たれ、戦場に散った美術学生たちの遺した絵を展示する美術館でした。

案内看板に誘われるように、県道を外れ、小さな集落を抜けて山道を登っていくと、小高い丘陵の上にそれはありました。

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中の絵は、撮影禁止なのでここでそれを紹介することはできませんが、どの作品も静かに、しかし夢を断たれた深い無常の念と、一縷の望みを物語っているように見えました。


若く、細身の裸婦の画。
そしてその説明。

「あと五分、あと十分この絵を描きつづけていたい。外では出征兵士を送る日の丸の小旗が振られていた。。。
生きて帰ってきたら必ずこの絵の続きを描くから…。安典はモデルをつとめてくれた恋人にそう言い残して戦地に発った。しかし、安典は帰ってこれなかった」

昭和20年4月19日、ルソン島にて戦死。享年27歳。



“すすり泣きの聞こえる美術館”と呼ばれているのは、決して誇張ではありません。

入口は狭く、人が一人通れるほど。
窓口や受付もなく、ドアを開けるとすぐに展示スペースとなっています。
中は薄暗く、展示ケースの灯り以外、ほとんど照明はありません。

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「無言館」という名前の由来を、この施設美術館の館主である窪島誠一郎さんは自著の絵本でこう言っています。

なぜ「無言館」っていう名をつけたかって?
だって 戦死した画学生さんの絵の前に立ったら
悲しくて くやしくて つらくて
なにもいえなくなっちゃうんだもの
黙るしかないんだもの

館内では誰もが無言です。
そしてときどき誰かが静かに鼻をすすりあげる音だけが響いているのです。



初めて知覧の特攻記念館に行ったときも、かなりの衝撃を受けましたが、この無言館も、それに優るとも劣らず、です。



無言館第二展示館「傷ついた画布のドーム」

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屋外にあったアート作品。

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新聞で読んで、いつか機会があったら行ってみたいな、と思いつつ、いつの間にか記憶から消え去っていた無言館。
今回、塩田平を歩いていてたまたま見つけることができたのですが、この偶然に、とても感謝しています。


みなさんも機会あったら一度、行ってみてください。


<2013年3月3日 訪問>



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