鈴鹿鈴子と鈴鹿峠越え【東海道テキトー完歩 関~鈴鹿峠】

 2015-12-22
 
 前編 : 世界の亀山工場とか、煩悩ホテルとか


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はこの関駅で、今日の鈴鹿峠の案内人として、鈴鹿鈴子が僕を待っていたのです。

「鈴鹿鈴子」は自称、古くから鈴鹿峠の女番人として君臨した「鈴鹿御前」の子孫だ、とのこと。

「鈴鹿御前」とは、平安時代から盗賊が横行し、鬼の棲家として伝えられたこの三重・滋賀県境の鈴鹿山にすむ武勇と美貌に秀でた女人で、鬼退治に来た坂上田村麻呂らとともにこの鈴鹿峠の治安を守ったとされている人物。


「私抜きで鈴鹿峠を一人で越えるのはリスク高いわよ。鈴鹿峠でバーベキュー食べさせてくださいな。そうすればお供しますよ」
彼女はそう言って、僕のお供となることを申し出たのでした。

桃太郎かよっ!


そんなわけで(どんなわけだ!)ともかく僕は鈴子と関駅で待ち合わせ、いざ、鈴鹿峠越えにチャレンジしたのでした。


まずは再び関の宿場町に戻り、旧東海道を西へと進みます。
百五銀行から少し西側にあるのが、百六里庭(ひゃくろくりてい)。
江戸からちょうど百六里あるのでそう名付けられた小公園です。
(百五だの百六だの紛らわしい。。。)

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この百六里庭に隣接した建物「眺関亭(ちょうかんてい)」かの2階らの眺望が素晴らしいのです。

こっちが亀山側(江戸方面)。

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こっちが鈴鹿峠側(京都方面)。
鈴鹿峠の青黒い山塊がいよいよ目の前にデーンと出てきましたね。
負けねーぞ、鈴鹿峠!!

僕の気合を感じたのか、
すごく大きく見えるけど、そんなに高い山じゃないわ、
と鈴子が隣りでつぶやきます。
私がいるから大丈夫。

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あれっ?
突然鈴子が声をあげます。
なんか気になる人影がある!

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旅人のフリをした盗賊かもしれない。

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おいおいおいおい、そー来るか鈴子。江戸の衣装を着た普通の旅人にしか見えねーぞ。
しかもおねーちゃんはなかなかきれいめだぞ、横のおにーちゃんはちょっとなんちゃってっぽいけど。

そんな僕の言葉はまったく届かなかったようで、鈴子は慌てて2階から駆け降りて、2人のあとを尾行し始めたようでしたが、ほどなくしてあっさりと戻ってくると、こう言いました。

「あれは盗賊じゃないわ、だって着物にスニーカーだもん。ニセモノだわ・・・」

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途中にあった、旅人宿、石垣屋さん。
ここのご主人のブログ、僕と同じひとり旅ブログのランキングでよく見かけます!
関宿にあったのは知ってたのですが、ここにあったんですね。
なかなか雰囲気いい感じでした。

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関は古くからの建築物を保存しているので、町中を歩いていてもタイムスリップしたよう。

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3連休だけあって、中心部には観光客もたくさんいましたが、やがてだんだん人影がなくなり、道も次第に上りとなり始めます。

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西の追分を過ぎると関宿の宿場町は終わり、いよいよ本当に鈴鹿峠が前の前に迫ってきます。

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国道1号線をしばらく歩いて、再び旧道に入ると坂下宿の集落に入ります。

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ここに鈴鹿馬子唄会館なるものがありました。
「坂は照る照る 峠は曇る あいの土山雨が降る」と唄われた鈴鹿馬子唄の発祥の地が、この鈴鹿峠の麓の坂下宿なのだそうです。

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鈴鹿馬子唄ってのはこの地の地形と気候の関係をうまく表現した唄らしく、

「坂は照る照る」 : 伊勢の関宿側から坂を上っているときは燦々と陽がさしているのに
「峠は曇る」 : 鈴鹿峠にかかるとにわかに曇りだして
「あいの土山雨が降る」 : 近江側の土山宿に抜けるといつの間にか雨が降っている

というような感じなんだと思います。
現代風に言うと、東海道新幹線で岐阜あたりから関ヶ原を抜けて米原に抜けるときのような感じなんでしょう。


馬子唄会館に隣接して、廃校になった坂下小学校の校舎を利用した「鈴鹿峠自然の家」がありました。
ここもきっといい校舎だったんでしょうね。

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こんな山の中には不釣り合いなほど道幅も広く、立派な坂下宿の旧街道を通り抜けると、いよいよ鈴鹿峠は目前です。

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旧道が国道に合流するあたりに古い祠のようなものがあったので、門の扉を開けて入ってみます。

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ここは岩家十一面観世音菩薩というらしく、横に細い滝が流れていましたが、鈴子は何かを感じるらしく、中まで入ってこないので、僕も深入りはやめておきました。

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この先、旧東海道のルートをたどる地図をみると、間の前にある国道ではなく、山の中の道なき道を指し示しています。
どうやら現在は東海自然歩道の一部になっている、この山道のことのようです。

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うへー。
結構厳しい上りですね。

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こんな道、大名行列が通るのは到底無理だろう、と思いますが、鈴子が迷いもなくズンズンと奥に進んでいくので、彼女を追いかけるように僕もそれにしたがって歩きます。

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山道を結構歩いたつもりでしたが、無駄にアップダウンがあったせいか意外に距離はかせげていなくて、再び国道に合流した場所は直線距離にすると500メートルくらいしか進んでいないような感じでした。
おまけに丈の短い靴下を履いていたせいで、肌が露出していた部分を途中で山蛭に食われたらしく、宿について気づくまでに結構血を吸われてました。。。

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そして到着したのが、このバーベキュー鈴鹿峠。

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鈴鹿峠で泊まれる場所は、ここしかないのよ。
さあ、バーベキューごちそうしてくださいな。

鈴子はそう言ってまたズンズンとお店の中に入っていったのでした。




<10月11日訪問/つづく>



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『東海道テキトー完歩』とは・・・・・
とある本に触発され、旧東海道に沿って五十三次、約500㎞をテキトーに、しかし完歩しようという試み。

時間がある時にぶらっと出かけて、気の向くままに歩くシステム。歩く順番もランダム。よって何年かかるか不明。
名所旧跡を語るより、街道沿いの人々や風俗(変な意味ではない・・・と思う)、B級スポットなどを、ときどき妄想なんかも入れながら紹介する滑稽本(になったらいいな)。





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