漂流郵便局で、出せなかった一通を。【2016瀬戸内国際芸術祭‐3 粟島】

 2016-11-15
 前編「瀬戸の花嫁~誰かのための染物屋



つかのどこかのだれか宛。
届けようと思っても、もう届く宛先のない手紙を受け付けてくれる日本でたったひとつの郵便局が、漂流郵便局です。

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「漂流郵便局留め」という形で、実際に手紙やはがきを出せば、いつか宛先不明の存在に届くまで、郵便局内にある「漂流私書箱」に手紙を漂わせて預かっていてくれるのです。
もちろん漂流郵便局に実際にやってきて、ここで直接投函することもできます。
また、ここで漂流する手紙の中から、誰かが書いた自分あてのものを偶然発見したならば、それを持ち帰ることもできるのです。

過去/ 現在/ 未来
もの/ こと/ ひと
何宛でも受け付けてくれます。

いつかのどこかのだれか宛の手紙が、いつかここにやってくる、そのだれかに流れ着くまで。



僕が今回どうしてもここに来たかったのは、僕にももう届く宛先のない手紙が1通あったからなのです。



漂流郵便局は、前回2013年の瀬戸内国際芸術祭の際、現漂流郵便局員である久保田沙耶さんによってアート作品として制作されました。

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久保田さんがアート作品の制作のために粟島にやってきた際、当時廃屋となっていたこの旧粟島郵便局を発見し、その不思議な佇まいに魅かれたことによりすべてが動き始めたのです。

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久保田さんが最初に粟島の港に着いたときに目にしたのは、海からのたくさんの漂流物だったそうです。
行き先のないペットボトルや貝、木材、漁具、ガラス。
潮の流れのせいでしょうか、この瀬戸内にあるスクリュー型の小さな島、粟島には昔からたくさんの物、事、人が流れ着いてきたのでした。

そんな中、偶然発見したのがこの郵便局跡。
今はもう使われなくなってしまったその郵便局舎には、古いながらもかつてここにはたくさんの郵便物が行きかっていたことがわかるさまざまな郵便施設がそのまま残っていたのだそうです。
そんな郵便局のガラスに映った自分の姿を見て、きっと自分もここに流れ着いてしまったのだ、と思った久保田さんは、波打ち際で見た漂流物と、かつてここで行きかっていた郵便物、そしてここに流れ着いてしまった自分が頭の中で重なり「漂流郵便局」という名前が浮かんだのだそうです。

こうしてここに漂流してきた、宛先のないものたちを預かる「漂流郵便局」が生まれたのです。


窓口の前で仕事をしているのが久保田さん、ここでは久保田郵便局員と呼ばれています。
すごくチャーミングな女性です。

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そして漂流郵便局の局長は、中田勝久さん。
中田局長は、かつてこの粟島郵便局の局長を17年も勤めた方なのです。
笑顔が最高ですね。

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中田局長と久保田局員がこうして揃っている日はラッキーなんだそうですが、今日はこの粟島セトゲーの初日でしたので、こうしてお二人に会うことができました。


さて、ここに漂流してきた手紙は、この「漂流私書箱」に入れられて、文字通りこの郵便局の中をゆらゆらと漂流するのです。

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このビアノ線にマグネットでつながれたブリキのハコは、土台となっている八角形のテーブルを回すと、フワフワと揺れながら漂流するのだそうです。

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この箱の中の手紙は誰でも自由に読むことができます。
そしてそれが自分宛のものであれば、持ち帰ってもいいのです。

そしてこの1枚がたまたま僕が手にした手紙。

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そうですよね。天国のお父さんお母さんには今まで手紙を出したくても出せなかったですからね。


漂流郵便局内で売っているこのはがきを買えば、この場で手紙を書いて投函することができます。

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僕はこの2月に急逝した父親と別れの挨拶ができなかったので、思うところあってちょっと手紙を出したかったのです。
ただ、文章を載せるとみんなを泣かせてしまうので、ここではやめときます(笑)



手紙が書き終わったら、この赤い投函口に入れます。

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娘も20歳の自分に手紙を書いたらしく、絶対に見せない!とか言いながら投函しようとしてたら、久保田局員が「じゃあ私が投函を見守りましょう!」と言って一緒に記念写真に入ってくれました。

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漂流郵便局にたどり着いた手紙の中には、心を打つものもたくさんあります。
これはその中の69通が本になったもの。

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もっと早くに書いていれば僕の手紙もこの中に入ったかもしれませんが、それに劣らずいい手紙もたくさん掲載されていますので、機会あったら是非読んでみてください。


返事はないとわかっていても、想いを伝えたい人、あなたにもいませんか?

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そんなときはぜひ漂流郵便局へ。




<2016年10月8日訪問つづく>



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コメント
こんばんは。
漂流郵便局
こういった施設が実在するなんて驚きです。
もし近くに行くことがあったら、立ち寄ってみたいですね。
【2016/11/21 00:11】 | QooAIBO #- | [edit]
こんばんは

漂流郵便局は芸術祭が終わった後も
引き続き残っているようなので、
近くに行った際はぜひ。
【2016/11/21 08:28】 | Wanderlust (ワンダーラスト) #- | [edit]












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