東海道テキトー完歩の旅1—1 府中宿~丸子宿【静岡県】

 2014-08-12
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8月9日から4日間休みだったので、青春18きっぷ使ってブラブラしながら甲子園に高校野球でも見に行こう、と朝早く家を出ました。

台風11号が西日本に接近していることはわかっていたのですが、駅の改札で青春18きっぷの第1日目の欄にスタンプを押してもらい、ホームに降りたとたん、台風のため甲子園の開幕がなんと2日間も順延、というYahooニュースを発見したのです!
一番見たいと思っていた試合も日程がずれてしまい、このままだと休み中に観戦できなくなってしまいます。しかも台風が接近する中、わざわざ関西に向かっても2日間何して過ごせばいいのか甚だビミョーです。
このまま家に帰って、台風が過ぎてから出直す方があきらかに賢明でした。

しかし、僕はそのまま足を前に進めました。もう引き返しません。
だって、既にスタンプは押されてしまったのですから。

このまま先に進んで甲子園まで行こうと、家に帰ってふて寝しようと、青春18きっぷの一日分を消化することには変わりないのです。



もともと今回甲子園に向かう途中でやろうと思っていたことがありました。
それは東海道の旧道を歩くことでした。

たまたま図書館で借りて読んでいたこの本がその引き金です。

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久住昌之著「野武士、西へ 二年間の散歩」(2013 集英社)

とある漫画家が、東京から大阪までなんとなく東海道に沿って散歩で踏破する紀行エッセイ。ただし一挙に歩くのではなく、二年間かけて細切れに何回にも分けて歩く。歩く区間や距離もその日の風まかせ、ただし地図やネットは見ず、勘だけでトライしてみる。
そんな感じの本なのですが、これが僕の波長と妙に合うのです。

その中でもとりわけ魅力的に書かれていた、宇津ノ谷峠越えの区間を歩きたい、と思っていたのでした。
幸い、静岡はまだ台風の影響はなく、雨も夕方からの予報でした。
最高気温も30℃、酷暑というほどではありません。
東海道を歩くには、なんら問題はありません、というか今の時季としてはベストコンディションかもしれません。

そんなわけで、明日以降のことはまた明日考えることにして、とりあえず東海道線の熱海行きに乗ったのでした。



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静岡の駅に降り立ったのが11時ちょっと前。
テキトー散歩なので、迷った挙句、リュックはコインロッカーに預けます。
これだといったん西に進んでも、また静岡駅まで戻ってこなくてはなりませんが、重いリュックを背負って苦しく歩くのはテキトー旅に反するのではないか、ということで、折り畳み傘と、ケータイのバッテリーを入れただけのボディバックを肩から下げて出発します。

静岡、といえばさくらももこ・・・・・の他に駿府城を忘れてはいけません。

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静岡の駅から北に5分歩き、徳川家康に敬意を表して駿府の城跡から出発です。

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現在の静岡市内の中心部のあたりを昔は府中宿と言いました。
旧東海道地図をなぞって歩くと、最初は伊勢丹のある繁華街を通ります。

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旧東海道とは思えないスタートですが、地図に従って道を一本曲がると、急になんとなくそれらしい感じになってきます。

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この道を西にずっとまっすぐに進むと、やがて大きな橋が見えてきます。
駿府城からここまで約30分、安倍川越えです。

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安倍川といえば、あべ川もち。
橋のたもとに、2、3軒のお餅屋さんが並んでいます。

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そのうちの1軒、おばあさんがひとりでお餅を作っていた店に入ります。
昼食の時間が近いので、ここでおやつを食べるわけにいかないのですが、もち好き&きなこ好きの僕としては、本場のあべ川もちを目の前にして買わないわけにもいきません。
峠越えの非常食用としてきなこ2個、あんこ2個を買いました。400円。

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バックもないので、おばあちゃんに包んでもらったパックを白いビニール袋に入れてぶらぶらさせながら、結局道中ずっと持ち続けることになります。


安倍川の橋の上から見た静岡北部の山々。

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このずっと先のほうは山梨の南アルプスあたりにつながっているのか、結構高い山があるように見えます。
だからでしょうか、安倍川をはじめ天竜川、大井川、富士川と、静岡の川は雄大で、でも荒々しい大河が多いような気がします。


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安倍川を越えると、静岡の市街地は終わり、なんとなく旧街道沿い独特の雰囲気が出てきます。

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府中(静岡)を出て、最初の宿場は丸子宿。

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丸子と書いて、MARIKO、と読みます。
鞠子と書くこともあったようですが、なかなかかわいい名前です。

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丸子のバスの営業所のあたりは、まだまだ静岡市郊外のちょっとした住宅地といった雰囲気がありますが、街道をさらに奥に進むと、やがてかつての丸子宿の集落に入ります。
ここは東海道で一番小さい宿場町だったとのことですが、この先にある宇津ノ谷峠の山々を背にした、全長2~300mあまりのこじんまりとした町並みでした。

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丸子の宿場町を越えて、街道が(たぶん)丸子川と交わるところに、今回来てみたかった有名なとろろ汁屋があります。

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安藤広重の東海道五十三次にも描かれた歴史あるとろろ汁屋なんだそうです。

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あまり食には興味がない僕ですが、久住昌之さんが「野武士、西へ 二年間の散歩」の中で、運悪く食べられなかった、と嘆いていたのを読んで、じゃあせっかくだから食べてみよう、と思っていたのでした。


普通はあまりひとりでこんな店に入らないのですが、静岡市内を出てから2時間、ここまでずっと我慢して来たので(あべかわもちも食べずに持ったままだし)、躊躇なく入ってみます。

中は思ったよりずっと広く、奥のほう、2階のほうにもたくさんの部屋があります。

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基本のメニューは、このとろろ御膳、1440円也。
とろろとご飯でこの値段、高いと言えば高い。
でもなんとなく仕方ないのかな、と思ってしまう。
これが伝統の力なのか…

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温かいご飯に、とろろ。
何も足さない、何も引かない。
そんな感じ。

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店内大広間の雰囲気こんな感じ。
ひとり飯、僕以外なし。

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資料館みたいなスペースもあって、そこにいたのがこの方。

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十返舎一九だそうです。
十返舎一九、東海道中膝栗毛、
滝沢馬琴、南総里見八犬伝。
よくセットで覚えましたよね。

東海道中膝栗毛の碑もお店の前にあるので、この作品にも登場するのかもしれません。

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ここまでの道のり

丸子



13時30分、いよいよ宇津ノ谷峠越えに向けて出発します。




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