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グンゼの旧遷喬尋常小学校とか規格外の奈義現代美術館とか【平成~令和元号またぎ合宿たび‐2】

 2019-07-02
前編「なぜか津山と 「湯湯湯」 「混男女混」「❤❤❤」


山県の中国勝山駅のとなりに久世という駅があります。

久世と書いて「くせ」と読むのですが、昔このあたりの地図を見ていたところ、町内にグンゼの工場があったので、最初は「ぐんぜ」と読むのだと思っていました。

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そうか、グンゼは「久世」が発祥だからグンゼなのか!と。

しかし実際はグンゼは京都の北部、河鹿郡(現在の綾部市)が発祥で、漢字も「郡是」と書きます。
なんでも明治の創業時「産業の振興によって地域社会(河鹿郡)の発展に貢献する会社になろう」という思いから社名を「郡の是」としたそうです。

ということで、僕の想像は全く見当違いだったのですが、それ以来、久世という地名はずっと僕の頭のどこかにあり、その後、この久世に、美しい小学校マニアの僕にとって垂涎の建造物があると知って、いつか行きたいと思っていたのでした。


それが旧遷喬尋常小学校。

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明治初期にこの地にできた明親館という塾を母体にしてできた小学校で、この校舎は明治40年に建てられ、現在は国の重要文化財に指定されています。

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正面中央、高瀬舟をかたどった校章の入りの屋根窓とか、めっちゃカッコいいですな。

校名の由来は「出自幽谷木(ゆうこくよりいでて きょうぼくにのぼる)」

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風祭国語国文学研究所の風祭哲哉所長によると、これは「深山の暗い谷間から飛び立ったウグイスが、次々と高い木へと移っていくこと」に例えて

「久世の子どもたちよ、お前たちは山に囲まれたド田舎に住んでいるが、学問に励み立身出世すれば、きっと明るい未来が待っているぞ」

と解釈されていることが最も多いことがググった結果明らかになりました。

ググったのかよっ、風祭国語国文学研究所!


校舎の中に入ってみると、なんと制服のレンタルが!

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ぬぉぉぉぉぉ、制服着てみたかったぜ!

え、さすがにそのセーラー服は無理あるんじゃね?

という感じの「セーラー服と機関銃」世代の熟女と制服ごっことかしてみたら、また新たな世界が拓けたかもしれないのに!


ここで週末を中心に行われているイベントは、学校給食ごっこ。

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この教室で、学ラン姿のナイスミドルとセーラー服の熟女が隣り合わせの席で給食を食べるのです。

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今日の献立。

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僕的にはイマイチなメニューですな。
ミルメークは当たり!って感じだけど、クジラの竜田揚げとか食べたふりして残してたかも。

というか知ってますか?ミルメーク

と思ったら、今でもあるんですね。

そういえば昔は給食、残せなかったですよね。
僕のクラスで牛乳飲めない女の子がいて、毎日5時間目は別室で牛乳飲むまで授業受けられなかったので、かわいそうなことに勉強どんどん遅れてっちゃってました。

そんなの今じゃありえない感じだけど。


この旧遷喬尋常小学校は、「ALWAYS 三丁目の夕日」をはじめ ロケ地としてもよく使われているらしく、出演者の記念の寄せ書き?みたいな願い事カードがさりげなく飾られています。

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サブちゃん、野球キャラメル300点かよ、と思ってたらホンモノじゃなくって、映画「三丁目の夕日」に出てくる「北島三郎」くんね。

吉行センセー、なんつーしょーもない願望やねん!と思ってたら、行淳之介やんか。

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一応、グンゼの工場にも行ってみましたよ。

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外から見ただけだったけど。



久世からいったん津山に戻り、そこから路線バスに乗り換えて30分、奈義町(なぎちょう)というところへ向かいます。

目的は、NagiMOCA(ナギ・モカ)と呼ばれる「奈義現代美術館」。

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岡山の片田舎に、なぜこんなぶっ飛んだ現代美術館があるのかはわかりませんが、以前(おそらく2016年の瀬戸内国際芸術祭のとき?)どこかの島でここのパンフレットをもらって、それ以来機会があれば行ってみたいと思っていたのでした。


この美術館の一番ブッとんでるところは、建物が先ではなくて、作品を先に構想して、それに合わせて美術館を設計した点。
一般の美術館では収集不可能な巨大作品をあらかじめ制作依頼し、その作品を収容する空間を作家と建築家が話し合って建築したのだと言います。

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なので、建物と作品が半永久に一体化した美術館なのです。

この大きな筒のようなものは「太陽」という作品でもあり、建物でもあります。

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最初に見たとき、単なる筒のアートなのかと思ったのですが、ちゃんと中に作品があって、それに合わせてこの筒が作られたのです。


もうひとつブッ飛んでるところは、常設作品が「太陽」「月」「大地」のたった3つしかないこと。
たった3つなので、早い人はメインとなる常設部分は10分もあれば鑑賞が終わってしまいます。
ちなみに下の写真がそのひとつ「大地」。普通に歩くと1分で通過します。

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入場料は700円。
特別高いとも安いとも言えない微妙な額ですが、700円を10分で終わることも、半日楽しむこともできそうなところがスゴい。
ちなみに僕は全部で30分でした。
ま、凡人っぽい所要時間でしたね。。。


この美術館のメインディッシュは、この荒川修作+マドリン・ギンズの作品「太陽」でしょうね(これがさっきの筒の中)。

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京都の龍安寺みたいな石庭が、円筒の部屋の両側に壁のように置かれています。

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荒川修作+マドリン・ギンズといえば、岐阜にある養老天命反転地でも同じような作品をたくさん残しているので、こうした「反転」作品は十八番なんでしょうね。


この日はちょうどいいモデルがいました。
こう見るとなんとなくこの空間の異質性がわかりますよね。

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ちなみに僕の奈義の港の女と隠し子ではございません。


そしてこれが「月」。

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スミマセン、僕にはよく理解できませんので解説は控えさせていただきます。
ただ、中秋の名月の夜10時に、この中に月の光が差し込んでくる設計になっているのだそうです。

この部屋にはべた~っと座りこんでいる先客の女子がいて、こーゆー人が700円で半日過ごせるのかも、と思ったのですが、もしかするとこのまま中秋の名月までここに住むつもりかもしれませんね。


この奈義から次に行く鳥取方面に向かうには、普通は一度バスで津山まで出てJR因美線に乗るのですが、地図を見ると奈義からバスで10分ほどの停留所から途中の美作滝尾駅まで5キロくらいなので、歩いて行ってみます。
ま、こんなことやってるから合宿とか言われるんだけどね。

1時間後、見えてきました、美作滝尾駅。

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この美作滝尾駅、古き良き昭和の日本の香りを残す木造駅。

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なので一度行ってみたかったのですが、因美線は運行本数が少ないので、途中下車するのは難しく、こうして歩いてチャレンジしてみたわけです。

現在はもちろん無人駅ですが、駅舎の中は往時の雰囲気を残したまま、美しく整備されています。

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と、その奥に僕のお師匠、寅さんじゃないっすか!

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実はこの美作滝尾駅、「男はつらいよ」の最後の作品となった第48作「寅次郎紅の花」に登場したことでも知られています。

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到着して20分ほど、ちょうどいい時間に、2,3時間に1本しかない1両のディーセルカーがやってきました。

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山田洋次監督が「寅さんと一緒に日本中の駅を見てきたが、これほど美しい駅はもう日本のどこにもない」と語ったと言われる美作滝尾駅には、まだGW10連休は来ていないようでした。


<2019年4月27日訪問 つづく>  続き⇒憧れの「すなば珈琲」めぐりとか、意外にムフフなコナンくんとか


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なぜか津山と 「湯湯湯」 「混男女混」「❤❤❤」【平成~令和元号またぎ合宿たび‐1】

 2019-06-26
成から令和へ。
元号が変わる今年のGWは10連休!

この夏発表される観光庁の旅行白書番外編「旅と恋愛2018」の調査によると、「いつか風祭さまと一緒に旅して、場合によってはイエス、 フォーリンラブ!も可」と熱望している女子が全国には4万2千人もいるらしい、という噂はかねがね聞いていたのでした。

そこで、時代が変わるおめでたい期間なので、この10連休にその機会を提供しよう、と限定先着1名で「風祭さまと歴史的瞬間を迎える旅~平成 令和元号をまたぐ9泊10日」というツアーを募集してみたのでした。

図1


「この旅行は合宿ですか?」


その翌日に、さっそくそんな問い合わせを入れてきたのは、風祭ファンクラブにも入ってないくせに、いつも甲子園やら西武ドームやら焼肉屋にまでついてくる1組2名の女子(自称、綾瀬はるかと桐谷美玲)。


辛いのいやだから、1日だけですよー


とか言って途中で合流することをさっさと決めてしまいました。


え、おまっ、貴重な定員枠を使いやがって!!!


🚅 🚅 🚅 🚅 🚅 🚅 🚅 🚅 🚅 🚅 🚅 🚅 🚅 🚅 🚅


いつもは風の向くまま、気の向くままがポリシーの風祭さまとはいえ、今度の10連休はかなりの混雑が予想されるため、せめて宿くらいは確保しておこう、と年明けから動き始めていたので、ホテルは無事すべて確保してありました。

ところが、初日の東京から鳥取までの夜行バスの予約をすっかり失念していて、予約開始日を1日過ぎてから手配をしたところ、すでに満席。代案になりそうな米子・松江行きや津山・岡山行きも僕の乗りたい3列シートのバスはぜーんぶ満員。

けっこうヤバイぞ、10連休。。。

結局、連休前の26日夕方に出発を前倒しして、岡山で新幹線から乗り換え、この日の夜は津山に泊まったのでした。

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翌朝、GW1日目。

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津山といえばB'zの稲葉さんの生まれ故郷として有名ですな。
実家のイナバ化粧品店は今も東津山の駅近くにあるようですが、B'zファンのみなさま、スミマセン。
僕にとって津山といえば津山城で、イナバ化粧品店じゃないので行ってません。
ネタとしては面白かったんだけど、時間がなかったんだよね。


ずっと昔、僕は大恋愛小説でも書こうと思って、なぜか津山城の近くのホテルに2泊ほどしたことがあります。
なんでそれが津山だったのか、いまでもよくわからないのですが、結局その時に書いたと思われる小説はまったく残っていないので、きっと物語が生れるような津山での出会いはなかったのでしょう。

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というか津山城、朝開いてないじゃん!

しかたなく、お城からさらに東に行ったところにある「城東伝統的建造物群保存地区」に行ってみます。

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いい町並みじゃん!

その時も津山の町なかをフラフラした覚えはあるのですが、この町並みは全然記憶にありません。
なにやってたんだろ、俺?

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きっと知らない町に泊まって、知らない路地を彷徨っていれば、知らない女の子と出会って、きっと何か楽しいことが起こる、と信じていたお年頃だったんでしょうね。


これは津山洋学資料館。

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津山は幕末から明治初期にかけて、西洋の内科医学を初めて紹介した宇田川玄随など多くの優れた洋学者を輩出しました。
津山は町の規模から考えると病院の数がめちゃめちゃ多いな、と思っていたのですが、きっとそれも関係があったのかもしれませんね。


津山駅構内から見える車両基地と機関庫。

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こんなに昭和の香りを残した車両基地は僕の知る限りはJRだとこの津山と米子、新潟の糸魚川くらいですかね。
もしかすると、僕が津山に泊まって小説でも書いてみたいと思ったのは、こんな風景を見たからかもしれません。

全国でも絶滅危惧種となった機関庫を利用して「津山学びの鉄道館」ができていました。

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時間があれば行ってみたかったですね。


さて、津山から列車で約50分、中国勝山駅へ。

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この中国勝山からさらに山奥にある湯原温泉に混浴野天風呂の西の横綱と言われる「砂湯」があります。
かつて津山で2泊した後、僕はこの中国勝山で意気揚々と湯原行きのバスに乗り換えて、湯原温泉に泊まったのですが、なぜか結局砂湯にはいかなかったのでした。

ダメじゃん若き日の俺!

きっとお年頃だった僕の、色白もち肌の体躯に、女子たちの刺すような視線が集まるのにビビッていたに違いありません。

もちろん今は酸いも甘いも知ったナイスミドルとして、当時とは別の魅力を備えた体躯にはなっているのですが、当時よりやや恥じらいは薄れているので今回は行かないことにしておきます、砂湯。


中国勝山の駅前交差点には「檜舞台」という通りができていました。

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この通りを抜けると「のれんの町並み」と呼ばれる勝山町並み保存地区があります。

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「のれんの町並み」と呼ばれるだけあって、通りに面したほとんどの店舗には色とりどりののれんが下がっています。

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もとはこの通りにある草木染めの工房でつくられたのれんをかけていたお店があったのですが、それが1軒、また1軒と増えていったのだそうです。

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これはクルマの修理屋さんだったかな?

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郵便局?と思ったけど違うみたいです。

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いやー。なかなか素晴らしい町並みなんですよ。

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でも湯原温泉に胸をときめかせていた頃の僕の脳内は

 「湯」「湯」「湯」
「混」「男」「女」「混」
 「❤」「❤」「❤」



みたいな感じだったので、こんなに素晴らしい町並みがあるなんてまったく知りませんでした。
というかまったく眼中になかったのかもしれません・・・




<2019年4月26日訪問 つづく>  続き⇒「グンゼの旧遷喬尋常小学校とか規格外の奈義現代美術館とか


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