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「あすなろう鉄道」に乗って【東海道テキトー完歩 四日市郊外編】

 2015-05-18
上靖の小説に「あすなろ物語」という作品があります。
明日は檜になろうと願いながら、永遠に檜にはなれない「あすなろ」の木の説話を通じて、何者かになろうと夢を見てもがく人々の運命を描いた小説です。

「あすは檜になろう、あすは檜になろうと一生懸命考えている木よ。でも、永久に檜にはなれないんだって! それであすなろうと言うのよ」

物語に登場する冴子という、美しくもどこか影を負っている少女が語る言葉が印象的で、僕はこれをたぶん中学生の時に読んだのですが、今でもこのフレーズは記憶に残っています。

そんなわけで、四日市に「あすなろう鉄道」という路線ができた、と聞いてぜひ乗ってみたかったのです。

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四日市あすなろう鉄道は、2015年3月までは近鉄の内部線と八王子線でした。
予定では、近鉄の経営合理化のため鉄道を廃止し、バス路線(BRT:バス高速輸送システム〉に転換する計画だったのですが、地元の強い要望を受けて、四日市市が施設・車両を保有する公有民営方式で存続する第三セクター鉄道として残ることになったのだそうです。

図1


「四日市あすなろう鉄道」という社名は、ひとつは未来への希望を表す意味、もうひとつはこの内部・八王子線が軌間762mmの特殊な線路で(要は、普通の線路よりかなり細いのです)「ナローゲージ」と呼ばれていることから命名されたそうです。

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いいですよね、あすなろう、って。

このあすなろう鉄道の路線が、四日市から先の旧東海道に沿って走っているので、東海道テキトー完歩の続きで内部線終点の内部(うつべ)駅付近まで旧東海道を歩いてから、帰りはあすなろう鉄道に乗って帰ってくることにしたのでした。



四日市の市街地を抜けてしばらく歩くと、あすなろう鉄道は旧東海道のすぐ脇を並走するようになります。

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どうですか、車体、細くないですか?

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あすなろう鉄道の語源にもなった「ナローゲージ」というのは、狭い規格という意味で、ここでは線路が狭い(狭軌)であることを意味しています。
線路が狭いので、必然的に車体の幅も狭くなるのです。言われてみれば普通の電車よりも面長ですよね。


小さくて幅もとらないので、家々の軒先をかすめるように走ることもできるのです。

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もうひとつのあすなろう鉄道の特徴は、このカラフルな車体の色。

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これはたまたま地味な組み合わせかもしれませんが、3両すべてが別々の色で運転されることも珍しくはないようです。


途中の日永駅周辺の旧東海道。

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天気がよかったせいもあると思いますが、このあたりにはなかなか風情ある町並みが残っています。

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旧道から現在の東海道に出たあたりにあるのが日永の追分。

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右に行くと旧東海道で大坂方面、左に行くと伊勢となります。

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終点の内部まで歩いても四日市の市内から5~6キロ、1時間強で着いてしまいます。

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四日市に向かう列車に乗ってみると確かにナローでコンパクト。

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向こう側の女子高生たちが膝を突き合わせるように座っているのがわかりますよね。

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のんびりと家々の間をすり抜けながら、四日市まで20分弱の道のりです。

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今回の東海道テキトー完歩は、いったんここで終了し、このあとは近鉄に乗って奈良方面に向かうことにします。



今回の結果:桑名宿~日永追分付近 19kmを制覇! 
実際の歩行距離は寄り道入れて42.3キロを11時間13分
東海道テキトー完歩まで:現在の合計 240㎞/512km

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『東海道テキトー完歩』とは・・・・・
とある本に触発され、旧東海道に沿って五十三次、約500㎞をテキトーに、しかし完歩しようという試み。

時間がある時にぶらっと出かけて、気の向くままに歩くシステム。歩く順番もランダム。よって何年かかるか不明。
名所旧跡を語るより、街道沿いの人々や風俗(変な意味ではない・・・と思う)、B級スポットなどを、ときどき妄想なんかも入れながら紹介する滑稽本(になったらいいな)。

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<2015年5月3日訪問>





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