JR代行バスと壮絶カーチェイス【平取~富川~鵡川】2015北海道‐11
2015-11-23
前編 太陽の森 ディマシオ美術館
念願だったディマシオ美術館の、太陽のあたる静かなラウンジでずっとのんびりしていたかったのですが、いつの間にか時計は15時近く。
帯子も18時頃までには帯広に帰らなくてはならない、というので、そろそろ出発しなければなりません。
僕はこのあと夜行フェリーで苫小牧から八戸に渡ることになっていたので、帯広には戻らず、途中で車から降ろしてもらうことに。
ここから帯広に帰るには、日高地方の内陸部を進み占冠に出て、そこから道東自動車道を使うのが最も早いようです。
そこで僕は占冠に向かう途中で通過する平取(びらとり)町まで乗せて行ってもらい、そこから路線バスを使って苫小牧方面に行くことにしました。
平取の中心部にあるバス停で帯子とお別れ。

彼女はたぶん今日500キロ近く運転することになるでしょうが、最高のドライブ日和だったので十分満喫してた、ということでよしとします。
ありがとう、帯子。また今度いきなり誘うぞ!
さて、僕は平取に来たのは初めてだと思います。もしかすると、昔バイクで日高から日勝峠を越えて十勝まで行ったときに通ったかもしれませんが、覚えていないので、初めて、ということにしておきます。

平取の市街地から6~7キロ先には北海道最大のアイヌの集落がある二風谷(にぶたに)地区があります。
最初からここを通ることがわかっていれば、時間を作っておいたのですが、突然の予定だったので残念ながら立ち寄る時間がありませんでした。
北海道がまだ広大な未開の原野でしかなかった明治の時代、英国の夫人、イザベラ・バードがやってきてアイヌと交流し「日本奥地紀行」に記した場所として知られているのがここ、二風谷の地だったのです。

またいつかゆっくり時間をとって来てみたいです。でも今度はここに来るのはいつなんだろうなあ。
さて、平取から路線バスで約25分、日高本線の富川駅に着いたのですが、現在ここには列車が走っていないのです。
今年の1月に厚賀~大狩部間の線路脇の土砂が高波によって削り取られたため不通となり、現在も鵡川~様似間116.0kmの運転を見合わせて、代行バスの運転になっているのです。

しかしなんとこの代行バスがとんだクセモノだったのです。。。

道道289号沿いにある富川駅前のバス停で平取からのバスを降りるとき、バスの運ちゃんが僕の前にいた『とっちゃん坊や』みたいな年齢不詳の旅人に「代行バスは駅前まで入って来ないから、乗り換えるならこのバス停で待ってた方がいい」的なことを話していたのを、僕も確かに聞いたような気はしました。
平取からのバスは道南バスといってJRの代行バスとは関係ないバス会社ですが、たぶん親切心で教えてくれたのでしょう。
具体的にはこんな位置関係になります

(©Googleストリートビュー)
そんなわけで、僕が駅のまわりをブラブラ歩いて戻ってくると、『とっちゃん坊や』は言われたとおり、このバス停でデクノボーのように突っ立ってたわけです。

(©Googleストリートビュー)
まあ、自然の流れで僕もそのまま彼に従ってその場所で待っていたわけですよ。
しかし時間になってもなかなかバスは来ないのです。
5分過ぎ10分過ぎ、うーん、この車の少ない道でそんなに遅れるはずはないんだけどなー。
なんとなーく、嫌な予感がしてきました。
というのは、向かい側にバス停が二つもあるのに気づいたからなんです。

(©Googleストリートビュー)
しかもひとつはなんだかJRバスっぽい色なんですよね、停留所の看板が。

(©Googleストリートビュー)
そういえば、なんか目の前にバスが停まってたような気がしないでもないんです。。。
さすがに『とっちゃん坊や』も若干不安になってきたのか何度も腕時計をチラチラ見ています。
「さっき目の前に停まってたバスがそうだったんじゃないの?」と僕。
「えええええええ(&すごいリアクション)」と『とっちゃん坊や』。
慌てて道路を横断して向かいのバス停まで行ってみると、そこには無情にも「JR代行バス乗り場」の貼り紙が。
(写真撮る余裕なんかなかったので証拠出せませんがお許しください・・・・・)
おいおいおいおいおいおい、頼むよ『とっちゃん坊や』。
そりゃ確かに俺も確認せずに君の後ろで待ってたけどさ、バス停の表示くらい見ろよ。
そりゃ確かにあのバスの運ちゃんも紛らわしいこと言ってたけどさ、ちゃんと確認しようぜ!
なーんて嘆いても、もうどうしようもありません。バスは行ってしまったのです。
この代行バスに接続する列車に乗らないと、今夜の苫小牧からの船に間に合いそうもありません。
とりあえず町に出てタクシーで代行バスと列車との接続駅の鵡川まで行こう、と『とっちゃん坊や』に声をかけて1キロほど先にある富川の中心街まで競歩並みのスピードで進みます。
「困ったなあ、今日は帯広に泊まるんだけど、この列車じゃないと間に合わないんですよ、ほんとかよ~」
とブツブツ言っていた『とっちゃん坊や』ですが、次第に歩みが遅くなってきます。
「鵡川までタクシーでいくらだろう?きっと高いですよね?うーん、困ったなあ、どうしようかなあ~」
何言っちゃってるの。。。行くしかないでしょ!あと2時間ここで待てないでしょ?
割り勘にすれば大したことない、という僕の説得をよそに彼の歩みはどんどん遅くなっていき、しまいには
「やっぱり私、いいです。やめときます」
とりタイヤ宣言する始末。
まあ、いやがる『とっちゃん坊や』を無理やり引きずって連れていくわけにもいかず、かと言ってこんなおっちゃんと一緒に僕も遭難するわけにはいかないので、断腸の思い(ではまったくなく)彼を見捨てて僕は先に進みます。
駅前通りから国道に出たあたりでタクシー会社を見つけたとき、列車出発の20分前。
富川から鵡川まで12キロちょっと。
北海道なので、これでもなんとか間にあっちゃうんですよね。

鵡川駅に到着すると、いました、憎っくき代行バス。
いやいや、やっぱりこの代行バスを恨んじゃいけないな。

恨むなら、あの『とっちゃん坊や』・・・
じゃなくって、確認もせず流れに身をまかせちまった自分ですね。
大人だなあ、俺。
ちなみにタクシー代、4000円かかりました。
やっぱ憎いわ。。。
<2015年9月21日(月)訪問>
行きたくなったら1票ずつお願いします(笑)→


よかったら、また来てください! → http://mousoukiko.blog.fc2.com/','日本に、もっと恋する旅')" value="お気に入りに追加">
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