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浜坂駅の鉄子の部屋【兵庫県/山陰本線】~青春18 五島列島への旅 8~

 2014-07-25
<はじめから読みたい方>
 青春18 五島列島への旅 1 【出発前】
 青春18 五島列島への旅 2 【岐阜県・美濃赤坂】
 青春18 五島列島への旅 3 浮気町【滋賀県・守山市】
 青春18 五島列島への旅 4 H商店街 【京都府・亀岡市】
 青春18 五島列島への旅 5  美山かやぶきの里【京都府・南丹市
  青春18 五島列島への旅 6 北近畿タンゴ鉄道 【京都府・宮津市】
 青春18 五島列島への旅 7 伊根の舟屋【京都府・伊根町】



①東京🚝(東海道線)🚝大垣🚝美濃赤坂🚝守山🚝新大阪(泊)
②新大阪🚝京都🚝亀岡🚝園部🚍美山🚍園部🚝福知山(泊)
3日目 福知山🚝(北近畿タンゴ鉄道)🚝宮津🚍伊根🚍網野🚝豊岡🚝浜坂🚝出雲市(泊)
④出雲市🚝米子🚝新見🚝備後落合🚝三次🚝広島🚝小倉(泊)
⑤小倉🚝甘木🚍秋月🚍甘木🚝博多港🚢(船中泊)
⑥青方港🚍上五島教会群めぐり🚍奈良尾港🚢福江港(泊)
⑦バイクで福江島一周🚢長崎🚍(夜行バス車中泊)
⑧阿部野橋🚝和歌山🚝(和歌山電鐵)🚝貴志🚝和歌山🚝白浜🚝紀伊田辺(泊)
⑨紀伊田辺🚝湯浅🚝岸和田🚝大阪(泊)
⑩大阪🚝奈良🚝関🚝亀山🚝四日市🚝名古屋🚅東京



岡で北近畿タンゴ鉄道からJRの山陰本線に乗り換え、何本かの各駅停車を乗り継ぎながら、この日はこのまま一挙に島根の出雲市まで行く予定でした。

最初の乗り継ぎ駅、浜坂でちょっとだけ時間があったので、改札口を出てみると、そこに不思議な看板がありました。

IMG_1302 (640x480)

ホームの駅名標を模した看板にある写真は、在りし日の余部鉄橋(この浜坂駅から京都方面に2つ戻った駅の脇にある、有名な鉄橋。今は写真のような赤い鉄橋ではなく、コンクリート橋に代わってしまっていますが)。
そして「右へ20m進め」の文字。

とあれば進むしかないでしょう。。。




部屋に入ると、そこには本当に鉄子がいました。

古い駅舎のガランとした空間におかれたソファに座って、彼女はゴツゴツしたデジカメを一生懸命磨いていました。

「あっ、どうもこんにちは」
彼女は、まるで誰かがここにやって来るなんて想像もしなかったというくらい驚いた様子で、眼鏡の下の意外に大きな瞳をクリクリと動かしました。

鉄子はこの近くにある余部鉄橋に魅せられて、神戸でのOL生活を3年で投げ出してここにやって来たのだと言います。

「今は新しく建て替えられちゃったけど、昔の余部鉄橋のあの迫力!日本海を真下に見下ろしながら地上40mの美しい朱色の鉄橋をゴウゴウと駆け抜けるスリル。私、完全にノックアウトされちゃったんです…」

僕も昔、旧型の余部鉄橋を何度か渡ったことがある、と言うと彼女はもう止まりませんでした。
「ここは17時で終わりなんですけど、もしよかったら私の家に来ませんか?駅舎のすぐウラだし、コーヒーでも入れますから。なんだかあなたに聞いてほしい話、まだまだたくさんあるような気がするんです」

やがていつの間にか短くなってきた初秋の陽が暮れてゆきます。
「夕食に駅弁買ってきますね。
香住カニめし、おいしいですよ」

そして東京とはくらべものにならないほど早い山陰本線の終電の時間が、もうそこまで迫っているのに、僕は5時間もズルズルとここから離れられずにいました。
今夜、どこに泊まるかもわからないまま。

そんな僕のココロを見透かしているのでしょうか。
彼女はこう言うと、するすると洋服を脱ぎ、JRの文字が入った浴衣に着替えはじめました。

「よかったらこのまま泊まっていってください。隣の部屋は寝台車仕様に改造してありますから。B寝台の上下2段に寝るのも修学旅行みたいで楽しいけど、今日はせっかくだからカシオペアスイートのダブルにしませんか?
そうそう、列車の揺れみたいに振動を起こす装置もついているの。だから今夜はふたりでベッドを一晩じゅう揺らしませんか?」


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