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たぶん最後の三江線で、いきなり絶景!【2017隠岐島流れ旅-14】

 2017-07-11
前編「難攻不落の知られざる天空の城


島県の三次駅と島根県の江津駅を結ぶJR西日本の三江線。
この108キロの長大ローカル線が2018年の3月で廃止になる、と聞いていたので、今回の隠岐のついでにちょっと寄り道してみることにしました。

僕が学生時代、北海道に住んでいたときがちょうど国鉄の末期で、北海道の魅力的なローカル線が次々と廃止されていたころでした。
天北線、羽幌線、深名線、標津線、士幌線、広尾線、胆振線・・・名前を挙げるときりがないほどの数のローカル線が次々と消え去っていきましたが、僕が乗ったことのあるのはその半分もなく、今思うと同じ北海道にいながら、なんでもっとしっかり記憶(と記録)にとどめておかなかったんだろう、と後悔の念しかありません。

そんなわけで、この三江線はしっかりとこの目と心に焼き付けておきたい、と思ったのでした。


月山富田城や足立美術館から最寄のJR荒島駅から快速に乗って江津へ。
今回はこの江津から三次に向かいます。

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実は三江線に乗るのは2回目なのですが、前回は広島側の三次から乗って、途中の石見川本駅で下車し、そのままバスで石見銀山に行き、帰りは三江線を使わずに大田市まで出てしまったので、この江津から石見川本までは初めて(でおそらく最後の)乗車になるのでした。

三江線には最近、「三江線神楽号」というラッピング車両があるらしく、一部の列車はこの車両で運行されていますが、運よくその列車が停まっていました。

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「三江線神楽号」というラッピング車両の由来は、かつて神楽が島根から江の川に沿って広島へと伝播した歴史があり、それが現在の三江線の走るルートそのものだった、ということからなんだそうです。

というかよく見ると2両もついています。
三江線クラスだとまず普通は1両、それでもガラガラ、ということが多いのですが、この日はGWでもあり、また三江線の廃止を惜しんで最後の乗り納めにくる乗客を見越しての運用なのでしょう。

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実際、そんな感じの輩で車内は結構うまっています。


三江線の凄いところは出発するとすぐに車窓に江の川の美しい景色が広がるところ。
普通、多少は市街地だの田園地帯だのといった平凡な風景が続いてから徐々に盛り上がってくるもんなんですが、この三江線は江津を出てちょっと走るといきなり江の川の絶景がどどーん!

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いやーん、いつもいきなりなんだもん。
もうちょっと盛り上げてからにしてよ。

と、まだ僕が若くてワイルドで自由だった頃に聞いたことあるようなセリフが耳元によみがえってきます。
ちなみに今はそんなことはありません。むしろじっくりすぎるくらいですのでぜひご安心を。。。


・・・・・さて、この三江線、全線で108キロのうち、8割以上はこの江の川とつかず離れずの関係。

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提供:石見観光振興協議会

別名「江の川鉄道」とも呼ばれ、まさに江の川とともに旅をする鉄道路線、と言っても過言ではありません。

その特徴は、ずばり「ノロい」。
「エロい」と読み間違えた方、ご期待に沿えずスミマセン・・・

その理由は、この三江線の線路の敷かれている場所にあります。

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こーんな感じで、すぐ左(右)に江の川、そしてすぐ右(左)には落石の危険のある崖、という場所に線路が敷かれていることが多く、カーブも連続するので、制限速度が30キロという区間ばっかりなのです。

なので、その特徴をすごく格好良く言うとこんな感じになります。

時速30キロ、日本一優雅で贅沢な鈍行列車の旅」←たびねすの記事に飛びます


でもまあ、このスピードで江の川と一緒に旅する車窓が素晴らしいのはホントですよ。

ただ最初に乗ったとき、こんな路盤の不安定なところ、いつまでこうやって走れるんだろう、と思ったのですが、おそらくもうその頃から改めて路盤強化する前に消え去ってしまう運命はカウントダウンされていたんでしょうね。


沿線ではそんな時速30キロの勇姿をカメラに収めておこうとしている人がたくさんいました。

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三江線のすべての駅には神楽にちなんだ愛称がつけられていて、各駅にその駅名標があります。
この潮駅の愛称は「潮払い」。

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こんなささやかな努力もしてたみたいなんですが、沿線では急激に過疎化が進んでいるため、乗客は増えるどころか減る一方。
でもこれはすでに日本のどの地域でも起こっていることなので、きっとこの三江線だけの話じゃなくなるはずです。


石見梁瀬駅と明塚駅の間で江の川の向こうに一瞬だけ美しい山容が顔をのぞかせます。

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これが「出雲国風土記」にも登場する名山、三瓶(さんべ)山。

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個人的にはこのあたりが三江線の中でも、もっとも印象的な車窓風景だと思います。


江津を出て約2時間で浜原駅に到着。

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三江線全線開通前は、この駅が終点だった時代が長く続いていて、江津からこの浜原駅までが三江北線という名前でした。
ここから先、口羽駅までの間は三江線の中で最後に開通した区間のため、それ以前に建設された区間にくらべトンネルや鉄橋の敷設技術が発展し、急カーブや崖上の線路も少なく、旧区間とはくらべものにならないほどスピードアップします。


その新線区間の途中にあるのが、天空の駅と呼ばれる宇都井(うずい)駅。

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ここはあとで再訪する予定なのですが、今降りてしまうと次の列車まで2時間近く時間があいてしまうので、いったんそのまま通りすぎて、その2つ先の口羽駅まで行き、そこですれ違う下り列車に乗り換えてここまで戻ってくることにします。

口羽駅は、三江線全線開通前は三江南線の終点だった駅。

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下り列車が到着するまで15分ほど時間があるのでちょっと駅前に出てみます。

が、数軒の民家以外は何もなし。

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たくさん人が歩いているように見えますが、これは全員列車の乗客で、停車時間にブラブラ散歩しているだけのこと。

これが駅前から唯一見えた特徴的な建物。

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神々の体育館?公民館?でしょうか。
遠くから見ただけなので、正体はわかりませんでした。

18:00ちょうどに口羽駅を出る下り列車で、2つ先の宇都井駅まで戻ります。
ホームに降り立ってみるとこの景観。

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そう、この宇都井駅は地上からホームまでの高さが日本一、天空の駅と呼ばれ、知る人ぞ知るところなのです。



<2017年5月5日 訪問つづく>     続き⇒ 日本一の天空の駅から銀河鉄道へ



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