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新)札沼線にさよならを言う旅とか、江別まで4万キロとか【2019北海道をめぐる冒険‐9】

 2019-12-11
前編「積丹ブルーのち天狗山。小樽の彼女をめぐる冒険



丹ブルーをめぐる冒険のためにとっておいた予備日。
この日はあいにくの曇天、のち雨の予報だったのですが、前日までの2日間がまさに積丹ブルー@晴れ男にふさわしい日で、もうすでに目的は達成してしまったので、札幌を起点にゆるーく日帰り旅をすることにします。

そんなわけで朝6時20分、札幌駅。

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全然ゆるくないじゃん!早朝から気合十分かよっ!


いや、違うんですよ。
朝6時すぎなんて、旅先だと僕にとってはもう2食目たべちゃうくらい絶賛活動中の時間帯なんですよ。
それに今日はこの6時21分発の札沼線の始発電車に乗ることが「日本に恋する伝道師」的なポイントなんですよ!


このJR札沼(さっしょう)線、札幌から空知地方の新十津川駅を結ぶ80キロ弱の路線なんですが、札幌近郊は上の写真のような近代的な電車が走り、「学園都市線」という愛称もある通勤通学路線。
しかし途中の当別町から先は、下の写真のようなたった1両編成のディーセルカーが1日数本走るだけの超絶ローカル線。
終点の新十津川駅まで行く列車は、なんと1日1往復しかありません。

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こんな2つの顔を持つ札沼線ですが、残念ながらこの超絶ローカル線部分、北海道医療大学前駅から先が2020年の5月に廃止されることが決まっています。

この区間の廃止は、ずいぶん前から噂されていたので、僕も以前、お別れのために一度来たことがあったのですが(「札沼線・新十津川駅にさよなら)」、また来ちゃいました。


さて、わざわざ6時21分発の始発でやってきたのは、前回さよならを言えなかった、この駅に降りてみたかったからなのです。

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札沼線豊ヶ岡駅。

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この木造の短いホームが1本あるだけの豊ヶ岡は、秘境駅として知られるようになった駅。
秘境駅というと、人里離れた奥深い山の中や、見渡す限りの原野の中にポツンとある駅、というイメージがありますが、ここは山でもなく原野でもなく、大都市札幌からも50キロほどしか離れていないのに秘境感をたっぷり感じられる駅として有名なのです。


ま、確かに駅のまわりはこんな感じ。

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人工物はいっさい視界にありません。


ホームの脇には未舗装の道があり、小さな木造駅舎がありますが、まわりに人が住んでいる気配はありません。

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実はこの砂利道を上って少し行けば広大な畑が広がっていて、その先には民家もそこそこあるのですが、この駅の周辺だけがなぜか何もないため、社会から隔絶された聖なる秘密基地のように感じるのでしょう。


札沼線に乗り別れに来る人は、1日往復しかない終点の新十津川行きに乗ることが多いのですが、始発列車に乗ればこの豊ヶ岡駅で1時間ほど過ごすことができるのです。
(帰りに寄ろうと思うと、この何もない駅で3時間過ごすことになります)


さすが俺ってば「日本に恋する伝道師!」


と思っていたのですが、似たようなことを考えている輩は結構いたらしく(しかも全員「鉄のかほり」)、僕に続いてぞろぞろと5,6人降りたのはビックリしましたが。


そんな「鉄のかほり」の人々がこぞって向かっていた場所があるのでついて行ってみます。

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なるほど。
この陸橋の上からだと、こう見えるんですな。

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このまもなく消えゆく秘境駅に、上りの列車が発着するシーンをカメラにおさめてホームに戻ると、終点の新十津川駅行きの始発兼最終列車が森の中をゆっくりとやってきたのでした。

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乗りこんでみると、なんと車内はこの状態①

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9月のド平日なのに座席、ほぼ満員じゃないですか!


そして車内はこの状態②

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るるぶ&moreの女子旅シリーズみたいじゃないですか!


あやうく一瞬、ニセるるぶライターを名乗って、一緒に取材旅行しちゃおうかと思っちゃいましたわ。。。


そして午前9時28分、終点の新十津川駅に到着。

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これが今日の下り始発列車&最終列車。

そして上りの始発列車&最終列車の発車は、午前10時。

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この列車で折り返す人は30分くらいこの駅に滞在することができます。

駅舎内には廃止となる日までのカウントダウン表示がありました。

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「廃止」ではなく、「ラストラン」という表現が前向きなイメージでいいですね。

カレンダーには1日1本しかない列車で、この駅に降り立った乗客の数が書きこまれていました。

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この日(9月11日)は47人。
前日の9月10日は、この夏の青春18きっぷの利用最終日だったため、150人もの下車客がいたようです。
47人でもそれなりに満員状態だったので、たった1両のディーゼルカーに150人も乗ったら首都圏のラッシュ並みだと思います。

冬を越し、ラストラン直前の春休みからGWにかけて、この数はどんどん増えることでしょう。
1日1本しかないので、たぶん1両編成では到底乗り切れないお別れ客が殺到するはずです。
札沼線最後の雄姿は、3両編成か、4両編成くらいになるかもしれませんね。
あるいは1日何本かの列車が走るかもしれません。

だからこそ、たった1両のディーゼルカーが、たった1本だけやってくる、今の時期に来ておいてよかったな、と思います。


駅の窓口は新十津川町の観光案内所の出店になっていて、終着駅到達証明書の発行や、ご当地入場券の販売所になっていました。

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駅前には以前はなかった臨時の売店ができていて、列車折り返し時間までのつかの間の賑わい。

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せっかくなので、僕は折り返し列車には乗らず、この日の最初で最後の列車の出発を見送ることにしました。

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え、1日1本しかない列車に乗らずにどーすんの、このニセるるぶライターめ!

実はこっそり声をかけていたさっきのモデルのおねーさんと、誰もいなくなった駅舎で密着取材とかしちゃうんじゃないでしょーね!


と今まさに「札沼線たそがれ女子ふうひとり旅」の準備をはじめちゃった全国の女子のみなさん、モデルが登場するのはもうちょっとあとの話になるので、それまで十分に悶々としててくださいね。



実はこの新十津川駅から函館本線の滝川駅までは5キロほどしか離れていないので、この列車に乗らなくてもバスで15分ほどで行けるのです。

とはいえ、バスの出発までまだ1時間もあったので、滝川駅まで歩いて向かいます。
ま、5キロくらいならじゅうぶん徒歩圏内ですから。

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滝川と新十津川を結ぶ石狩川の滝新橋を渡っていると、頭の上すれすれを飛行機が次から次へと降りていきます。

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おおおおお、大丈夫か、ちょっとナナメってるぞ!

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よかった!無事着陸成功!

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なんかすっかり見入っちゃったけど、ここは「たきかわスカイパーク」という河川敷のグライダー滑走場なんだそうです。

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グライダーは飛行機と違ってモーター動力ではなく、風を使って大空を飛行する乗り物。
練習すればだれでも飛行機よりもずっと手軽で安全に空を飛べるのだそうです。

ヒコーキに乗るのは嫌いだけど、自分で操縦桿を握って飛べるなら、なんだかちょっとやってみたくなりました。



さて、滝川から札幌に戻る途中で降りだしてきた雨の中、僕は豊幌という小さな駅に降り立ったのでした。

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この、いかにも北海道の郊外、という感じの駅前から歩き、江別に入ったあたりで僕を待ってるひとがいるのです。

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んがっ!江別まで40000kmだとぅぅぅ?

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マジかよ。
5キロは徒歩圏内のナイスミドルでも、なんぼなんでも40000キロは無理やろ。



これはきっと江別のJA道央青年部の若い衆が矢印を向ける方向を間違えたに違いない。

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反対側に向けとけば江別まで5~6キロ、十分徒歩圏内なのに、こっち側に向けたので地球一周する距離を書いちゃったんだな、きっと。



<2019年9月11日訪問>  続き⇒「さよなら「あふん」とか桃色「もえる」とか。留萌本線ふたたび




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