さよなら「あふん」とか桃色「もえる」とか。留萌本線ふたたび【2019北海道をめぐる冒険‐10】
2019-12-14
前編「新)札沼線にさよならを言う旅とか、江別まで4万キロとか」朝の旧北海道庁。

よく晴れた秋の早朝の札幌は、いつも本当に美しいのです。
今回、札幌では大通公園の少し南にあるホテルに4泊し、毎朝大通公園や時計台、そしてこの旧道庁を眺めながら札幌駅まで歩いていたのですが、札幌で朝を迎えるのはこの旅では最後なので、なんだかちょっと寂しい気もします。
この日から「風祭哲哉をめぐる女子たちとめぐる羊をめぐる冒険2泊3日」が始まるのですが、集合は夕方の旭川駅。
ツアーのタイトルからわかるように、それはきっと僕がいろんな女子とかその他もろもろをめぐり続けなければならないツアーっぽいので、それまではブラブラと寄り道しながら旭川に行こうと思います。
そんなわけで札幌から旭川行きの始発の特急列車に乗って降り立ったのは、深川駅。

ここから「さよならをいう旅、第2弾!」として留萌本線をめぐります。
留萌本線は数年前にその一部区間、留萌~増毛駅間が廃止となり、僕も以前「消えゆくものにさよならをいう旅」として来たことがあるのですが(「髪に悩む男の希望の駅、増毛にさよなら」)、今度は前回は生き残ったメインの区間、深川~留萌間の廃止が取りざたされているのです。
札沼線のように廃止日こそ決まっていませんが、ここもそう遠くない未来に廃止されることでしょう。
地元ではすでにバス転換後のことについての議論が始まっているくらいですから。
まずは深川駅からバスに乗って留萌線の峠下駅へ。

はっ?なんで留萌線に乗らず、バスやねん!?
いやいや、ご存知ないんですか、そこのお姐さん。
留萌線、めっちゃ運行本数少ないんですわ。
日中は3時間に1本しかないので、まともに乗ってたら途中駅で下車なんかできひんのですわ。
そんなわけで並行して走る路線バスや上りと下りの列車をテレコに使って、短い時間にいろんな駅に行ってみよう、という魂胆なのです。
峠下のバス停を降りて5分ほど歩くと、この峠下駅に到着しますが、周囲には民家もなく、広い待合室にはやはり誰もいません。

ここは名前の通り、隣の恵比島駅との間に名もなき小さな峠があるのですが、「峠下」という駅名がいいので来てみたかったのでした。

僕が駅に着くと10分もしないうちに峠を越えてやってきた留萌行きの列車が到着します。

深川からこの列車に乗って来ることもできたのですが、ここで途中下車すると次の列車は3時間後ですからね。
峠下から終点の留萌までは列車に乗って30分足らず。

留萌駅はかつて留萌線と羽幌線の分岐駅として、鉄道の要所だった雰囲気を存分に残す重厚な造りです。

人影も物影もない広いプラットフォームに停車する1両のディーゼルカー。
向かいにある島式ホームはまだそのまま残されていますが、今も、これからも使われることはないでしょう。
折り返しの列車まで時間があったので、駅前に出て少し歩くと、観光案内所を兼ねたお土産屋さんがありました。

留萌線グッズもあるなー、と思って眺めていると・・・

「あふん」発見!

こ、こ、これは日本一桃色吐息な駅、「阿分」じゃないか!
おまえ、前回の増毛区間にあってすでに廃止されたはずなのに、まだこんなところに土産物として残ってるってことは、いまだにこの駅名標ストラップをお守りのように握りしめて未知なる桃色吐息開拓に挑む、全国のチェリ-ボーイが絶えないということなんだな!
そして留萌駅の一画には桃色すぎる「FMもえる」。

あふん、とか、もえる、とか廃止近いというのに開き直ったか、留萌。。。
さて、深川方面への折り返しの列車に乗って、次に降りたのは「石狩沼田駅」。

ここは深川、留萌を除いた留萌線沿線の中では、最も大きい町。
前日乗った札沼線の「沼」はこの石狩沼田の「沼」なのです。
(かつて札沼線はこの駅まで通じていたのです)
とはいえ降りてみると駅前に少し町が広がってはいるものの、とても2時間、3時間と時間をつぶせる場所ではありません。
本当は2時間後に来る下り列車で再び留萌方面に戻り、恵比島という駅まで行こうと思っていたのですが、あまりにも暇なので、その恵比島までの約7キロを歩いて行ってみることにしました。

このあたりは石狩平野の北端で、あたりは一面黄金の頭を垂れた田園風景。
途中にあったのは「真布(まっぷ)駅」。

線路脇に短い木造ホームと駅舎があるだけ。
こえはかつて北海道に数多くあった臨時停車場が、そのまま駅に昇格したものなんでしょうね。
田園地帯が終わって、平野部分がだんだんと狭くなってくると、こんな看板が現れました。

明日萌駅、聞いたことありませんか?

「いもしあ」じゃありませんよ!「あしもい」ですよ。
ここはNHKの連続テレビ小説「すずらん」でロケ地となった駅。

この北海道の小さな駅に捨てられ、駅長に育てられた「萌」の物語はこの駅が舞台だったのです。
ロケ当時そのままなのでしょうか、古い木造の駅舎には「明日萌驛」の表示がそのまま残されています。

もちろん「明日萌」は物語の中の名前で、実際は「恵比島駅」という名前なのですが、「えびしま」の看板はちょっとだけ。

でも間違えて誰かが降りちゃうほど、乗降客はいないのでしょう。
極力ロケ当時の雰囲気を壊さない形で、今も残されているようです。
これもロケで使ったのでしょう、駅前には古い「旅館」の建物が。

駅舎の中は立ち入り禁止になっていて、ロケ当時のセットのようなものが残されていました。

わ、びっくりした!
萌ちゃんがこんなところにいた!

と、ここまで書いておいてなんですが、「すずらん」は見てなかったんですよね。
<2019年9月12日訪問 つづく> 続き⇒「湯駒荘秘湯密会」とか旭岳紅葉レポート2019とか
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