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さよなら「あふん」とか桃色「もえる」とか。留萌本線ふたたび【2019北海道をめぐる冒険‐10】

 2019-12-14
前編「新)札沼線にさよならを言う旅とか、江別まで4万キロとか



の旧北海道庁。

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よく晴れた秋の早朝の札幌は、いつも本当に美しいのです。

今回、札幌では大通公園の少し南にあるホテルに4泊し、毎朝大通公園や時計台、そしてこの旧道庁を眺めながら札幌駅まで歩いていたのですが、札幌で朝を迎えるのはこの旅では最後なので、なんだかちょっと寂しい気もします。

この日から「風祭哲哉をめぐる女子たちとめぐる羊をめぐる冒険2泊3日」が始まるのですが、集合は夕方の旭川駅。
ツアーのタイトルからわかるように、それはきっと僕がいろんな女子とかその他もろもろをめぐり続けなければならないツアーっぽいので、それまではブラブラと寄り道しながら旭川に行こうと思います。


そんなわけで札幌から旭川行きの始発の特急列車に乗って降り立ったのは、深川駅。

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ここから「さよならをいう旅、第2弾!」として留萌本線をめぐります。

留萌本線は数年前にその一部区間、留萌~増毛駅間が廃止となり、僕も以前「消えゆくものにさよならをいう旅」として来たことがあるのですが(「髪に悩む男の希望の駅、増毛にさよなら」)、今度は前回は生き残ったメインの区間、深川~留萌間の廃止が取りざたされているのです。

札沼線のように廃止日こそ決まっていませんが、ここもそう遠くない未来に廃止されることでしょう。
地元ではすでにバス転換後のことについての議論が始まっているくらいですから。


まずは深川駅からバスに乗って留萌線の峠下駅へ。

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はっ?なんで留萌線に乗らず、バスやねん!?


いやいや、ご存知ないんですか、そこのお姐さん。
留萌線、めっちゃ運行本数少ないんですわ。
日中は3時間に1本しかないので、まともに乗ってたら途中駅で下車なんかできひんのですわ。

そんなわけで並行して走る路線バスや上りと下りの列車をテレコに使って、短い時間にいろんな駅に行ってみよう、という魂胆なのです。


峠下のバス停を降りて5分ほど歩くと、この峠下駅に到着しますが、周囲には民家もなく、広い待合室にはやはり誰もいません。

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ここは名前の通り、隣の恵比島駅との間に名もなき小さな峠があるのですが、「峠下」という駅名がいいので来てみたかったのでした。

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僕が駅に着くと10分もしないうちに峠を越えてやってきた留萌行きの列車が到着します。

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深川からこの列車に乗って来ることもできたのですが、ここで途中下車すると次の列車は3時間後ですからね。


峠下から終点の留萌までは列車に乗って30分足らず。

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留萌駅はかつて留萌線と羽幌線の分岐駅として、鉄道の要所だった雰囲気を存分に残す重厚な造りです。

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人影も物影もない広いプラットフォームに停車する1両のディーゼルカー。
向かいにある島式ホームはまだそのまま残されていますが、今も、これからも使われることはないでしょう。

折り返しの列車まで時間があったので、駅前に出て少し歩くと、観光案内所を兼ねたお土産屋さんがありました。

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留萌線グッズもあるなー、と思って眺めていると・・・

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「あふん」発見!


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こ、こ、これは日本一桃色吐息な駅、「阿分」じゃないか!

おまえ、前回の増毛区間にあってすでに廃止されたはずなのに、まだこんなところに土産物として残ってるってことは、いまだにこの駅名標ストラップをお守りのように握りしめて未知なる桃色吐息開拓に挑む、全国のチェリ-ボーイが絶えないということなんだな!


そして留萌駅の一画には桃色すぎる「FMもえる」

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あふん、とか、もえる、とか廃止近いというのに開き直ったか、留萌。。。



さて、深川方面への折り返しの列車に乗って、次に降りたのは「石狩沼田駅」。

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ここは深川、留萌を除いた留萌線沿線の中では、最も大きい町。
前日乗った札沼線の「沼」はこの石狩田の「沼」なのです。
(かつて札沼線はこの駅まで通じていたのです)

とはいえ降りてみると駅前に少し町が広がってはいるものの、とても2時間、3時間と時間をつぶせる場所ではありません。

本当は2時間後に来る下り列車で再び留萌方面に戻り、恵比島という駅まで行こうと思っていたのですが、あまりにも暇なので、その恵比島までの約7キロを歩いて行ってみることにしました。

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このあたりは石狩平野の北端で、あたりは一面黄金の頭を垂れた田園風景。


途中にあったのは「真布(まっぷ)駅」。

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線路脇に短い木造ホームと駅舎があるだけ。
こえはかつて北海道に数多くあった臨時停車場が、そのまま駅に昇格したものなんでしょうね。

田園地帯が終わって、平野部分がだんだんと狭くなってくると、こんな看板が現れました。

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明日萌駅、聞いたことありませんか?

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「いもしあ」じゃありませんよ!「あしもい」ですよ。


ここはNHKの連続テレビ小説「すずらん」でロケ地となった駅。

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この北海道の小さな駅に捨てられ、駅長に育てられた「萌」の物語はこの駅が舞台だったのです。


ロケ当時そのままなのでしょうか、古い木造の駅舎には「明日萌驛」の表示がそのまま残されています。

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もちろん「明日萌」は物語の中の名前で、実際は「恵比島駅」という名前なのですが、「えびしま」の看板はちょっとだけ。

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でも間違えて誰かが降りちゃうほど、乗降客はいないのでしょう。
極力ロケ当時の雰囲気を壊さない形で、今も残されているようです。

これもロケで使ったのでしょう、駅前には古い「旅館」の建物が。

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駅舎の中は立ち入り禁止になっていて、ロケ当時のセットのようなものが残されていました。

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わ、びっくりした!
萌ちゃんがこんなところにいた!


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と、ここまで書いておいてなんですが、「すずらん」は見てなかったんですよね。




<2019年9月12日訪問 つづく>  続き⇒「湯駒荘秘湯密会」とか旭岳紅葉レポート2019とか





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新)札沼線にさよならを言う旅とか、江別まで4万キロとか【2019北海道をめぐる冒険‐9】

 2019-12-11
前編「積丹ブルーのち天狗山。小樽の彼女をめぐる冒険



丹ブルーをめぐる冒険のためにとっておいた予備日。
この日はあいにくの曇天、のち雨の予報だったのですが、前日までの2日間がまさに積丹ブルー@晴れ男にふさわしい日で、もうすでに目的は達成してしまったので、札幌を起点にゆるーく日帰り旅をすることにします。

そんなわけで朝6時20分、札幌駅。

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全然ゆるくないじゃん!早朝から気合十分かよっ!


いや、違うんですよ。
朝6時すぎなんて、旅先だと僕にとってはもう2食目たべちゃうくらい絶賛活動中の時間帯なんですよ。
それに今日はこの6時21分発の札沼線の始発電車に乗ることが「日本に恋する伝道師」的なポイントなんですよ!


このJR札沼(さっしょう)線、札幌から空知地方の新十津川駅を結ぶ80キロ弱の路線なんですが、札幌近郊は上の写真のような近代的な電車が走り、「学園都市線」という愛称もある通勤通学路線。
しかし途中の当別町から先は、下の写真のようなたった1両編成のディーセルカーが1日数本走るだけの超絶ローカル線。
終点の新十津川駅まで行く列車は、なんと1日1往復しかありません。

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こんな2つの顔を持つ札沼線ですが、残念ながらこの超絶ローカル線部分、北海道医療大学前駅から先が2020年の5月に廃止されることが決まっています。

この区間の廃止は、ずいぶん前から噂されていたので、僕も以前、お別れのために一度来たことがあったのですが(「札沼線・新十津川駅にさよなら)」、また来ちゃいました。


さて、わざわざ6時21分発の始発でやってきたのは、前回さよならを言えなかった、この駅に降りてみたかったからなのです。

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札沼線豊ヶ岡駅。

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この木造の短いホームが1本あるだけの豊ヶ岡は、秘境駅として知られるようになった駅。
秘境駅というと、人里離れた奥深い山の中や、見渡す限りの原野の中にポツンとある駅、というイメージがありますが、ここは山でもなく原野でもなく、大都市札幌からも50キロほどしか離れていないのに秘境感をたっぷり感じられる駅として有名なのです。


ま、確かに駅のまわりはこんな感じ。

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人工物はいっさい視界にありません。


ホームの脇には未舗装の道があり、小さな木造駅舎がありますが、まわりに人が住んでいる気配はありません。

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実はこの砂利道を上って少し行けば広大な畑が広がっていて、その先には民家もそこそこあるのですが、この駅の周辺だけがなぜか何もないため、社会から隔絶された聖なる秘密基地のように感じるのでしょう。


札沼線に乗り別れに来る人は、1日往復しかない終点の新十津川行きに乗ることが多いのですが、始発列車に乗ればこの豊ヶ岡駅で1時間ほど過ごすことができるのです。
(帰りに寄ろうと思うと、この何もない駅で3時間過ごすことになります)


さすが俺ってば「日本に恋する伝道師!」


と思っていたのですが、似たようなことを考えている輩は結構いたらしく(しかも全員「鉄のかほり」)、僕に続いてぞろぞろと5,6人降りたのはビックリしましたが。


そんな「鉄のかほり」の人々がこぞって向かっていた場所があるのでついて行ってみます。

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なるほど。
この陸橋の上からだと、こう見えるんですな。

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このまもなく消えゆく秘境駅に、上りの列車が発着するシーンをカメラにおさめてホームに戻ると、終点の新十津川駅行きの始発兼最終列車が森の中をゆっくりとやってきたのでした。

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乗りこんでみると、なんと車内はこの状態①

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9月のド平日なのに座席、ほぼ満員じゃないですか!


そして車内はこの状態②

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るるぶ&moreの女子旅シリーズみたいじゃないですか!


あやうく一瞬、ニセるるぶライターを名乗って、一緒に取材旅行しちゃおうかと思っちゃいましたわ。。。


そして午前9時28分、終点の新十津川駅に到着。

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これが今日の下り始発列車&最終列車。

そして上りの始発列車&最終列車の発車は、午前10時。

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この列車で折り返す人は30分くらいこの駅に滞在することができます。

駅舎内には廃止となる日までのカウントダウン表示がありました。

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「廃止」ではなく、「ラストラン」という表現が前向きなイメージでいいですね。

カレンダーには1日1本しかない列車で、この駅に降り立った乗客の数が書きこまれていました。

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この日(9月11日)は47人。
前日の9月10日は、この夏の青春18きっぷの利用最終日だったため、150人もの下車客がいたようです。
47人でもそれなりに満員状態だったので、たった1両のディーゼルカーに150人も乗ったら首都圏のラッシュ並みだと思います。

冬を越し、ラストラン直前の春休みからGWにかけて、この数はどんどん増えることでしょう。
1日1本しかないので、たぶん1両編成では到底乗り切れないお別れ客が殺到するはずです。
札沼線最後の雄姿は、3両編成か、4両編成くらいになるかもしれませんね。
あるいは1日何本かの列車が走るかもしれません。

だからこそ、たった1両のディーゼルカーが、たった1本だけやってくる、今の時期に来ておいてよかったな、と思います。


駅の窓口は新十津川町の観光案内所の出店になっていて、終着駅到達証明書の発行や、ご当地入場券の販売所になっていました。

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駅前には以前はなかった臨時の売店ができていて、列車折り返し時間までのつかの間の賑わい。

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せっかくなので、僕は折り返し列車には乗らず、この日の最初で最後の列車の出発を見送ることにしました。

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え、1日1本しかない列車に乗らずにどーすんの、このニセるるぶライターめ!

実はこっそり声をかけていたさっきのモデルのおねーさんと、誰もいなくなった駅舎で密着取材とかしちゃうんじゃないでしょーね!


と今まさに「札沼線たそがれ女子ふうひとり旅」の準備をはじめちゃった全国の女子のみなさん、モデルが登場するのはもうちょっとあとの話になるので、それまで十分に悶々としててくださいね。



実はこの新十津川駅から函館本線の滝川駅までは5キロほどしか離れていないので、この列車に乗らなくてもバスで15分ほどで行けるのです。

とはいえ、バスの出発までまだ1時間もあったので、滝川駅まで歩いて向かいます。
ま、5キロくらいならじゅうぶん徒歩圏内ですから。

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滝川と新十津川を結ぶ石狩川の滝新橋を渡っていると、頭の上すれすれを飛行機が次から次へと降りていきます。

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おおおおお、大丈夫か、ちょっとナナメってるぞ!

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よかった!無事着陸成功!

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なんかすっかり見入っちゃったけど、ここは「たきかわスカイパーク」という河川敷のグライダー滑走場なんだそうです。

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グライダーは飛行機と違ってモーター動力ではなく、風を使って大空を飛行する乗り物。
練習すればだれでも飛行機よりもずっと手軽で安全に空を飛べるのだそうです。

ヒコーキに乗るのは嫌いだけど、自分で操縦桿を握って飛べるなら、なんだかちょっとやってみたくなりました。



さて、滝川から札幌に戻る途中で降りだしてきた雨の中、僕は豊幌という小さな駅に降り立ったのでした。

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この、いかにも北海道の郊外、という感じの駅前から歩き、江別に入ったあたりで僕を待ってるひとがいるのです。

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んがっ!江別まで40000kmだとぅぅぅ?

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マジかよ。
5キロは徒歩圏内のナイスミドルでも、なんぼなんでも40000キロは無理やろ。



これはきっと江別のJA道央青年部の若い衆が矢印を向ける方向を間違えたに違いない。

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反対側に向けとけば江別まで5~6キロ、十分徒歩圏内なのに、こっち側に向けたので地球一周する距離を書いちゃったんだな、きっと。



<2019年9月11日訪問>  続き⇒「さよなら「あふん」とか桃色「もえる」とか。留萌本線ふたたび




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積丹ブルーのち天狗山。小樽の彼女をめぐる冒険【2019北海道をめぐる冒険‐8】

 2019-12-08
前編「積丹黄金岬の宝島とか、念願のしゃこたんブルー競演とか



ゃこたんブルーソフトクリームを、積丹ブルーの海の前で!

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・・・ということで、遊歩道をすれ違う人たちからのあたたかなまなざしを感じながら、念願のしゃこたんブルーの競演の写真を撮ったあとは展望台に登ってみます。

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おぉー絶景かな絶景かな。


ソフトクリームはここに来るまでにほとんど溶けちゃったけど、ソフトクリームが溶けないような曇天よりも2万倍うれしいぞ!
いや、これぜんぜん負け惜しみでもなく。

そのまま神威岬方面に行ってみると、女人禁制の看板が。

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かつてはあまりにも危険な難所だったため女性の立ち入りは禁止されていたそうですが、もちろん今は自由に入ることができます。

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でもこれ、怖すぎ、ギブアップ。

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女人とか高いところとか溶けたアイスクリームとか、全部苦手なんでね・・・

それでも根性で途中まで行って、積丹ブルーの写真は撮ってきましたよ!

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たぶん積丹は3回目くらいだけど、こんなにブルーだったのは初めてだな。



さて、積丹半島のハイライトもう一つは、積丹半島の最北端、積丹岬がある島武意(しまむい)海岸。

神威岬から小樽方面に少し戻り、バスを降りて山を上ると、積丹岬へと通じるトンネルがあります。

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このトンネルを抜けると、いきなり積丹ブルーの海が広がるのです。

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どーですか、この景観!

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でももう朝からスゴイ青ばっかり見てるから麻痺しちゃうんですよね。
もったいないことだけど。




積丹半島からバスに乗って終点の小樽に戻ると、ちょうど夕暮れの時間を迎える頃でした。

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本当はここで札幌行きのバスに乗り換える予定だったのですが、僕は急に思い立って小樽市内を走る路線バスに飛び乗ってしまいました。
たぶんこの夕暮れの時間帯がいけなかったんでしょうね。


バスを降りたのは小樽駅の横の急な坂道を上ったところにある、緑一丁目。

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大学時代、僕の彼女は小樽に住んでいて、その最寄りのバス停がこの「緑一丁目」でした。

当時、僕はバイクしか持ってなかったので、彼女を送るために札幌から小樽まで電車とバスでやってきて、よくこのバス停に一緒に降り立ったのでした。


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彼女の父親はこの坂の上にある小樽商科大学で教鞭をとっていて、その官舎の最寄りのバス停がここだったのです。

当時は、そんなお父さんがいる彼女の家の近くまでなんて行けるはずもなく、結局、あんなに何度もこのバス停まで来たのに、今でも彼女の家がどこにあったのかはわかりません。


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30年ぶりにブラブラと歩いてみたけど、彼女が住んでた官舎は、やっぱりぜんぜん見当もつかなかったな。

でも北海道の短い夏の薄暮の中、路地の向こうに消えてゆく彼女のうしろ姿や、彼女の足元でキュッキュッと鳴く2月の粉雪の音が、次第に遠ざかって行ったシーンを、今でも僕はありありと思いだすことができます。



通りを歩いていると眼の前に天狗山が見えました。

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そういえば、こんなに近くにあったのに、天狗山にも登ったことなかったな。

バスの終点で降りると、天狗山ロープウェイ乗り場はすぐ先にありました。

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小樽の天狗山は、函館山、札幌の藻岩山とともに北海道3大夜景のひとつと言われています。

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ロープウェイは若いカップルと外国人の旅行者がほとんどで、おひとりさまは僕ひとりだけのような気がしました。

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なんだかいい年して傷心旅行みたいでいやだな、と思ったけど、頂上に上がって、かつて彼女が住んでいたこの古い港町の夜景を目の当たりにすると、やっぱり一度くらいはここに一緒に来たかったな、と思いました。

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積丹黄金岬の宝島とか、念願のしゃこたんブルー競演とか【2019北海道をめぐる冒険‐7】

 2019-12-06
前編「寿都のしゃれ心「むすっこ」とか、絶景すぎる路線バスとか


れの日限定積丹半島めぐり、前日は結局、ぜんぜん積丹半島ではない、なんちゃってスポットが中心でしたが、今日こそ本番です。

この日も札幌から高速バスに乗って小樽で乗換え、まず最初に到着したのは積丹町の美国(びくに)地区。
ここは積丹観光の表玄関的な場所で、水中展望船や黄金岬が有名ですね。

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水中展望船の出発まで時間があったので、その前に黄金岬に行ってみます。
美国のバスターミナルから少し歩くとトンネルの脇に岬への上り口があります(車で来るとまた別の上り口があるようです)。

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小高い山を登ること約10分、黄金岬の頂上に到着し、木製の展望台に上ると眺望はこれっ!

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おおおおお、来たぞ積丹!って感じですな。

しかしこんなブルーはまだ全然シャコタンブルーちゃうからね。


展望台のすぐ目の前にある小島は「宝島」。

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この宝島、空から見るとハートの形をしているので、恋愛成就や良縁にご利益があるそうです。

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しかしカップルが小舟に乗って無人の宝島まで行き、やることもないのでそこで3日3晩にわたって青い珊瑚礁ごっことかしちゃうと、たいてい飽きて別れるというジンクスがありますので、現実にはここでなんちゃって愛の鐘を鳴らして、永遠の愛を祈願する程度にしておくのが賢明です。


もう一つのこの小島はなんざんしょ?

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ライオン丸島とか?

調べてみると「ゴメ島」という名前が付けられているようです。
「ゴメ」というのは「カモメ」のことらしいのですが、意外と地味な名前ですよね。

獅子舞とか快傑ライオン丸とか、なんかもっといい見立てあったでしょうに。。。

ま、それにしても素晴らしい景観であることには間違いありません。

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美国港まで戻り、水中展望船乗り場に行くと、停泊しているのはニューしゃこたん号。

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この船の特徴は地下船室に潜ると、海中観察ができること。

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海中と言っても沖縄の珊瑚礁みたいな凄い魚がいるわけではなく、この日はウニくらいしか見えなかったんですけどね。

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その代わり海上からの景色は素晴らしかったですよ。

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厳しい断崖と断崖の間にあるわずかな入り江前の浅瀬に向かうと・・・

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おおお、これぞシャコタンブルーではないか!


そしてお決まりのカモメ。

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この日は平日でしたが、観光バスの団体が乗り込んできたりして、なかなかにぎやかな水中展望クルーズでした。




そのあとは美国でいくらがこぼれ落ちそうな丼めし。

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せっかくなのでみなさんにも積丹の魅力を目で味わっていただこうと、これをSNSで全世界に向けて発信したところ、食欲の秋の午前11時30分の女子たちにとっては飯テロ以外なにものでもなかったらしく、胃袋も女心もつかめるナイスなミドルのテロリストとして指名手配され、現在その懸賞金は3億5千万円まで暴騰しているようです。



さて飯テロを終え、次に向かったのは積丹観光のハイライト、神威岬。

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僕はここに来たら絶対にやってみたかったことがあるのです。

神威岬と言えば名物、しゃこたんブルーソフトクリーム

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このしゃこたんブルーのソフトクリームを、しゃこたんブルーの海を眺めながら食べてみたい、と思っていたのです。

そんなわけで、神威岬の入口、「カムイ番屋」でブツを購入!

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しゃこたんブルーの海を見るためには、この遊歩道を丘の上まで行かなくてはなりませんが、胃袋も女心も鷲づかみにできるナイスなミドルの飯テロリストですから、最初は全然余裕だと思っていたのでした。

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ところが北海道の秋とはいえ、この日は雲一つない快晴で、午後の太陽が容赦なくしゃこたんソフトに降りそそいできます。
とにかくこのままこのソフトクリームが溶ける前に丘の上に到着しなければなりません。


🍦 🍦 🍦 🍦 🍦 🍦 🍦 🍦 🍦 🍦


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…げっ、予想以上に弱っちいぞ、しゃこたんブルーソフト!

耐えろ、耐えるんだ!しゃこたんブルーソフトぉぉぉぉぉ!


🍦 🍦 🍦 🍦 🍦 🍦 🍦 🍦 🍦 🍦


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・・・こうして念願のしゃこたんブルーの競演が叶ったのでした。




<2019年9月10日訪問つづく>  続き⇒「積丹ブルーのち天狗山。小樽の彼女をめぐる冒険




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寿都のしゃれ心「むすっこ」とか、絶景すぎる路線バスとか【2019北海道をめぐる冒険‐6】

 2019-12-03
前編「帯広のインデアンカレーとか、北海道の最後の風とか



幌の9月の空は、素晴らしい秋晴れ。

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この日から2日間は積丹半島方面をめぐる予定だったのですが、積丹といえばシャコタンブルー。
やっぱ晴れてないと行っても意味ないよね、と思っていたので、札幌に4日間宿を取っておき、積丹には晴れた日を優先に、曇雨の日はそれなりの場所(…失礼)に行こう、と思っていたのです。

そっか、「日本一の晴れナイスミドル」と呼ばれるウラには、実はこうした目に見えない努力の積み重ねがあったのね…と朝から深い感動に包んでしまって申し訳けありません。

とにかくこの日は(予報では翌日も)秋晴れの上に秋晴れ、という積丹日和。
そんなわけで積丹半島のハイライトは翌日に取っておいて、この日は積丹半島のつけ根あたりにあるウラスポットをめぐることにします。


まずは札幌から高速バスに乗って岩内に向かいますが・・・・・






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   コマネチかよっ!


あ、ちょっと古かったですかね、コマネチ。

しかし月曜午前の岩内行きバスがなんぼ空いてるとはいえ、こんなところで体操競技みたいなことしたらあかんやろ。
というかこんなアクロバティックな座り方のほうが疲れないかい?

さすが本日積丹ウラスポット紀行!
いきなりいいネタ提供してくれるぜ、と思いながら札幌から約2時間半、終点の岩内に到着します。

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岩内町は積丹半島の西の付け根にあり、この地域では一番大きな規模を誇ります(と言っても人口1万3千人程度)。
かつては国鉄岩内線が走っていましたが廃止され、バスターミナル前の旧岩内駅跡地が道の駅として再開発されています。

今日はここからさらにバスを乗り換えて西へ西へと行くのですが、時間があったので早めのランチタイムにします。

岩内と言えば、新鮮なお寿司が有名なので、道の駅でさっそく情報収集。

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駅から近くて、リーズナブルなお店を見つけたので、早速行ってみました、誠寿司。

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店内はこじんまりしていて1階はカウンター中心。
まだ早い時間だったので、僕のほかには旅行客らしきご夫婦が1組いただけでした。

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これが1000円のスペシャルランチ。
シンプルですが、このネタの新鮮さ、見てくださいよ。

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お椀のあら汁も絶品でした。

実はこのお店の大将の雰囲気がうちの亡父に似てたんですよね。
ときどき街の中に似た姿を見ることはあるのですが、まさか親父が白い割烹着姿で現れると思わなかった。

そんなわけでなんだか記憶に残るお店となりました。


岩内から再びバスに乗り、海岸沿いに西へ1時間、まずは寿都(すっつ)のバスターミナルへ。

寿都にはまたあとで戻ってくるので、すぐに島牧村方面のバスに乗り換えて寿都からさらに30分・・・

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♪江の島が見えてきた 俺の家も近い~

 まさかの江ノ島に到着!


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そうなんです、ここは北海道島牧村江ノ島。
札幌からバスでたった5時間で行けるビーチリゾートなんです!

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そう、もうここまでくるとぜんぜん積丹半島でもなく、むしろ渡島半島に近い北海道の西のはずれ付近の場所になるのです。

江ノ島の集落には展望台も水族館もなく、しゃれおつなカフェの代わりに村のかーさんのアワビ焼きくらいしかないけど、いいところでした。

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え、用事それだけかって?

そーですよ!今日は積丹方面ウラスポットめぐりですから。

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帰りのバスまで時間があったので、島牧村役場前のバス停まで40分くらい歩いてみます。

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ここが村の中心地。
メインストリートにはただ1軒、燦然と輝くセコマオレンジ。

ああ、こんな辺境で食料尽きてしまった・・・と死を覚悟した僕の北海道をめぐる冒険で、何度このオレンジに助けられたことか。

相変わらず神だな、セコマ。



さて、島牧からはバスで再び寿都のバスターミナルまで戻ります。

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遠くからターミナルの写真を撮っていたら、バスの近くにいた女子高生が

「えー、私たち写してる?写真は事務所通してもらわないと困るんですけどー」

的なことをつぶやいているのが聞こえたのですが、大丈夫、君を撮ってるわけじゃないし、顔わからないから。


っていうか、ポーズつけてんじゃんかよ!


バスターミナルの間の前に寿都高校があるのですが、次のバスは約2時間後。帰宅部バス通学の生徒たちはきっと時間を持て余してるのでしょう。
寿都町の人口はわずか3000人、町に出ても彼女たちが時間をつぶせるようなお店はありません。


さてこの寿都は日本海に面した港町(というかこのあたりの町はほぼ同じだけど)。

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この寿都にどんなワンダーが待ち受けているのか、とお思いでしょうが、実はここがこの日のハイライトなのです。

港のそばのわずかばかりのメインストリートの一画に佇む落ち着いた和菓子店「わかさ屋」。

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ここは北海道銘菓「わかさいも」の元祖となったお店(現在は「わかさ屋いも」に改称)なのですが、なんと「放送できないお菓子」もある、という噂を聞きつけてやってきたのです。

さっそく店内に入ってそのブツを発見し、写真を撮らせてもらおうと聞いてみると、店内の写真はNGだとのこと。

「しゃれゴコロでやってるだけなんだけど、結構大変な目にあってねー」と店のおかーさん。

なんと・・・そんなに凄いのか寿都のお菓子。

ではとりあえず買うだけ買おう、と購入したのがこれ。

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包装紙のシールにも確かに

「しゃれ心 む寿都こ」

って書いてありますね。


これは「むすっこ」と読むのだそうです。

そのお菓子のどこがあかんねん!とお思いでしょうが、ピンで撮るとこんな感じ。

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んー、むすっこ・・・


そしてこの「むすっこ」の相手というか姉妹品はというかは「あわび姫」

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いやーん、そーゆーこと!?

って今気づいたふりしてるけど、最初からわかってたんでしょ、そこの貴女!

実はこの「むすっこ」、以前このお店でアルバイトしていた寿都出身の漫画家、本庄敬さんがまさに「しゃれ」で作った商品なのだと言います。

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本当はその中身をここで公開したいのですが、あのおかーさんの話を聞くと、ちょっと無修正は忍びないので・・・

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モザイクかけてみました!



さらに「むすっこ」と「あわび姫」の競演!

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・・・モザイクで余計怪しく見えるわっ!


ちなみに会社の(しゃれ心のわかる)女子にお土産として渡したんだけど、セクハラとかぜんぜん言われなかったよ。



さて、そんなわけでこの日のメインイベントも終え、札幌に戻る途中の、岩内に向かうバス。

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なんだよ、この絶景すぎる路線バス!


寿都から岩内までは日本海に沿った国道を延々と走るのですが、ちょうど日没の時間と重なって、この夕日を独り占め。

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いやー、これは全くの予想外だったな。

この車窓、ぜーんぶ君にプレゼントしたいけど、残念ながら僕以外誰も乗ってないんだな。

仕方ないから映像でプレゼントしますね。




<2019年9月9日訪問>  続き⇒「積丹黄金岬の宝島とか、念願のしゃこたんブルー競演とか





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